それこそが、最近のウェアラブルデバイスに搭載されている新しい機能の着想元の1つになっている要素だ。例えば、Amazonのヘルスアプリ「Halo」には、スマートフォンのカメラで撮影した画像に基づいて体脂肪率を推定するツールがある。機械学習とコンピュータービジョンを利用して、その画像を解析するのだ。この機能は、個人のプライバシーという点でいくぶん物議を醸している。
だが、AmazonでHalo部門担当バイスプレジデントを務めるMelissa Cha氏によると、この機能の目的は、ユーザーが自身の体の変化を記録することにあるという。これも、通院の間にモニタリングを行うツールの1つだ。
「長期的な記録をとっておき、一定期間に見られた体組成の変化について相談したければ、医療供給者や医師にその記録を共有できる」(Cha氏)
ニューヨーク大学ランゴーンヘルスで公衆衛生および医療の准教授を務めるDevin Mann博士は、医療デバイスとコンシューマーデバイスが今後もさらに重なり合ってくると考えている。双方にとって、互いに学ぶところがあるからだ。
商用のウェアラブルがより高度なヘルスモニタリング機能を搭載しつつある一方、医療機器メーカーは利用者の対象を広げようと試みている。
Mann博士は「われわれは、その2つの流れが1つになるのを目撃しているようなものだ」と述べている。
長期的な視点から、ウェアラブルデバイスを疾病の早期発見に活かせる可能性に期待する専門家もいる。そのような機能はまだ初期段階にすぎないが、Mayo Clinicで心臓学における人工知能(AI)のワークグループに属する心臓専門医のPaul Friedman博士は、業界がこれまでに達成してきた進捗に期待を寄せる。数年前だったら、ほとんどの医師は、ヘルストラッカーのデータを信頼して治療に利用するなどとは考えもしなかっただろう、とFriedman博士は話す。だが、そんな状況が変わりつつある。
「答えはノーだっただろう。意見を聞かれたら、10人中9人がノーと言っていた。だが、今やそれがほとんど逆転している」(Friedman博士)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)