CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント関連を取材している佐藤が担当。今回は、9月3日と4日に、千葉県の幕張メッセ国際展示場ホールにて行われたイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Comical Pops!」の模様をお届けする。
これは、バンダイナムコエンターテインメントがソーシャルゲームを基点として多方面に展開している「アイドルマスター シンデレラガールズ」をテーマに、登場するアイドル(キャラクター)を演じるキャスト陣によるライブイベント。今回の7thライブは、この幕張メッセでの公演を皮切りに、愛知県のナゴヤドーム、大阪府の京セラドーム大阪の3カ所をめぐる大規模ツアーとなっている。
この公演での出演者は2日間共通で、会沢紗弥さん(関裕美役)、藍原ことみさん(一ノ瀬志希役)、天野聡美さん(白菊ほたる役)、五十嵐裕美さん(双葉杏役)、今井麻夏さん(佐々木千枝役)、桜咲千依さん(白坂小梅役)、金子真由美さん(藤本里奈役)、神谷早矢佳さん(南条光役)、佐藤亜美菜さん(橘ありす役)、下地紫野さん(中野有香役)、鈴木絵理さん(堀裕子役)、武田羅梨沙多胡さん(喜多見柚役)、立花日菜さん(久川凪役)、伊達朱里紗さん(難波笑美役)、都丸ちよさん(椎名法子役)、長江里加さん(久川颯役)、中島由貴さん(乙倉悠貴役)、春瀬なつみさん(龍崎薫役)、福原綾香さん(渋谷凛役)、牧野由依さん(佐久間まゆ役)、松嵜麗さん(諸星きらり役)、三宅麻理恵さん(安部菜々役)、森下来奈さん(鷹富士茄子役)、杜野まこさん(姫川友紀役)、山下七海さん(大槻唯役)、山本希望さん(城ヶ崎莉嘉役)、佳村はるかさん(城ヶ崎美嘉役)の27人。
平日開催となったが、2日間とも“プロデューサーさん”(アイドルマスターシリーズのファン)が大勢詰めかけたほか、ライブビューイングは国内100館以上のみならず、海外アジア地域でも上映。注目を集めたイベントとなった。今回、展示ホールの9~11というひとつの建物を丸々ライブ会場として使用する形となっており、以前にも2015年に行われた3rdライブにおいても実施していた。そして場内はメインステージからYの字のような形で花道が作られ、センターステージのほか、会場中央付近の両サイドにもサブステージが組まれる形となり、さまざまな場所からキャスト陣がパフォーマンスを行った。
「私たち、シンデレラガールズです!」の掛け声から、2日間とも共通でオープニングはツアーの始まりと旅立ちを予感させる「Vast world」を27人そろって披露。そのあとの「comic cosmic」では、会場中のプロデューサーさんに挨拶をするように、キャスト陣がセンターステージやサブステージ、そして花道と各所で歌っていた。
以降も、スマートフォン向けゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(デレステ)に収録されている楽曲を中心に、さまざまなソロやユニット曲などを披露。合間合間に「リアルシンデレラガールズ劇場」というミニコーナーが設けられ、演じるアイドルとしてのコミカルな掛け合いで笑いを誘う一幕も。そんななかでも、全編通して歌、歌、歌と言えるほど楽曲を披露するステージが展開。2日間とも34曲ずつを披露した。
千葉公演で注目されていたもののひとつに、双子である久川凪と久川颯の久川姉妹によるユニット「miroir」(ミロワール)、そして立花さんと長江さんの初登場が挙げられる。1日目ではリアルシンデレラガールズ劇場で、アイドルとしてアピールしたいと明るく振る舞う颯と、落ち着いたテンションと口調で説明する凪という、久川姉妹の自己紹介を兼ねたコント風の掛け合いを展開。
そして持ち歌でもある「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」を披露。冒頭や中盤などに盛り込まれたラップを的確に言い切る立花さんと、伸びやかに歌う長江さんという2人のパフォーマンスは鮮烈な印象を与えたようで、歌い終わった後は大歓声に包まれていた。ほかにも下地さんと都丸さんとともに歌った「Kawaii make MY day!」でかわいらしさをアピールしたほか、2日目では佳村さんと山本さんの城ヶ崎姉妹との姉妹共演も実現。楽曲も「TOKIMEKIエスカレート」から「DOKIDOKIリズム」へのメドレーという形で、場内も盛り上がっていた。
2人が息をピッタリ合わせたダンスや歌唱を披露するなかでも、きっちりしていると感じられるような振りや、表情も変えないなかでも時折笑顔を見せる立花さん、躍動感のある動きと終始楽しそうに歌い踊る長江さんに、凪と颯らしさを強く感じられた。1日目のトークのなかでは、何度も2人で自主練をしたというエピソードも語られたが、場内のプロデューサーさんたちの反応を見るに、記憶に残るようなパフォーマンスだったのは間違いないところ。また2日目の終盤の挨拶では立花さんが言葉に詰まりそうなところで、何度も隣にいた長江さんを見て、長江さんがフォローしようとするような光景も見られ、“姉妹”をより感じさせるものとなっていた。
そしてもうひとつは白菊ほたる、そして天野さんの初登場も挙げられる。見せ場となったのは、2日目でのソロ曲「谷の底で咲く花は」の披露。センターステージでひとりスポットライトがあてられるなか、途中声を詰まらせるところがありつつも、バラード曲を感情を込めて歌った。とかく、スクリーンに映し出された、潤ませながらもまっすぐにステージを見つめる天野さんの瞳に目が離せなかった。ほたるには事務所を何度も移籍している苦労人かつ、自ら不幸体質を言ってしまうほどで、そんな状況でもトップアイドルになることをあきらめないという背景もあるのだが、そんなほたるがつかんだデビューと大舞台……と、ほたると天野さんがクロスオーバーして見えるようで、このときは場内のプロデューサーさんも真剣に聴き入り、終わったあとには鳴りやまないぐらいの拍手に包まれていた。
さらに、そのあとで森下さんと歌った「キミのそばでずっと」では、1日目でも歌われていた楽曲であるものの、2日目はソロを披露したあと1曲間を置いての披露だったたけに、強く感情を込めている様子が伝わり、そこへ森下さんが支えるように声を響かせて歌う姿もあわせて印象的。新しい一歩を踏み出したことと、その先を見守りたいという印象を持ったところだ。
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