Twitterの共同創設者であるJack Dorsey氏が2015年に最高経営責任者(CEO)として同社に復帰したとき、絶え間ない改革が必要だと明言していた。
Dorsey氏は2015年の電話会議で、「世界の人々はTwitterに、人気のサービスであり続けることだけではなく、懸命に努力し、従来の物事を再定義し続けることも求めている」と語った。
米国時間2021年11月29日、Dorsey氏は、その仕事をParag Agrawal氏に引き継いだ。Agrawal氏は、Twitterの最高技術責任者(CTO)であり、ソーシャルメディア業界のために分散型でオープンな標準を策定する同社の取り組みを担当してきた人物だ。名門のインド工科大学で学士号、スタンフォード大学で博士号を取得し、2011年にTwitterに入社した。新CEOとして、将来のためのプロジェクトと、投資家や議員、活動家から厳しい目を向けられているソーシャルメディアプラットフォームにおける日々課題とのバランスをとることが求められるだろう。
Agrawal氏へのリーダー交代は、Twitterにとって重要な時期に起こった。同社は現在、投資家を満足させるために、野心的な売り上げとユーザー数増加の目標を目指している。Dorsey氏は、共同創設したデジタル決済会社Squareの経営にも携わっているため、目標の達成に全力で集中していない、と不満をこぼす投資家もいる状態だった。
Twitterの目標には、年間売上高を少なくとも75億ドル(約8500億円)に倍増させることや、2023年までに、収益化できる1億人以上のデイリーアクティブユーザーを新たに獲得することが含まれる。現在、広告が表示される同社のデイリーアクティブユーザーは2億1100万人だ。
本記事執筆のために同社にコメントを求めたが、Dorsey氏からAgrawal氏へのCEO交代に関するプレスリリースと声明を参照してほしいということ以外、回答は得られなかった。
新しいユーザーを獲得して保持するため、Twitterは、これまで以上に新機能をテストし、広告以外の収益源にも目を向けている。同社は、米国とニュージーランド、オーストラリア、カナダで、「Twitter Blue」という新しいサブスクリプションサービスの提供を開始した。Twitter Blueを利用すると、ツイートを取り消したり、広告なしの記事を閲覧したりできる。同社は他にも、投げ銭、ニュースレター、音声のライブ配信、サービスへの仮想通貨の組み込みといった新機能にも取り組んでいる。
「Twitterは今、ビジネスモデルを再編しているところだ」。市場調査企業eMarketerのシニアアナリストであるJasmine Enberg氏は、声明でそう述べている。「広告業界は、ターゲティング広告やプライバシーに関する新しい取り組みによって、真の課題に直面している。Twitterは広告ビジネスを強化して、2月に発表した野心的な売上高目標を達成するために、新たな収益源をいろいろと試している。次期CEOはそれらの目標を達成するという難題に立ち向かわなければならないだろう」(Enberg氏)
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