筆者はこの1週間、コンピューターと、あるメガネを使って作業をしている。このメガネ型のデバイスで、画面をまさに目の前に投影し、メインのモニターとして使ったのだ。家の中を歩き回りながら、顔の目の前でNetflixを視聴することもあった。ばかげているだろうか。それとも、変革的なことだろうか。その両方だ。TCLのこのメガネ型デバイス「NXTWEAR G」には驚かされた。実を言うと、筆者はこの記事の全文を、NXTWEAR Gを使って執筆したのだ。
仮想現実(VR)のヘッドセットはこれまでにいくつも装着したことがある。拡張現実(AR)のヘッドセットやスマートメガネもだ。モニターとしても使えると謳う製品もあった。だが、NXTWEAR Gほど優れたものはなかった。
筆者がTCLのこのメガネを自分で購入することはないだろうが、この実験的な、ミラーシェードサングラス風のデバイスは、軽量のウェアラブルディスプレイが、私たちの想像よりもはるかに進化していることを示す証拠となっている。とはいえ、まだ欠けている部分もある。
例えば、筆者は普段から分厚いメガネをかけている。NXTWEAR Gはそのメガネの上でも機能したが、理想的ではなかった。それでも、この製品の可能性には期待できる。
筆者は自分のメガネをかけた状態で、鼻の上にNXTWEAR Gを載せた。2つのメガネを装着して、レンズが4つになった。右耳の後ろからケーブルが垂れ下がっている。USB-C端子を「M1」搭載「MacBook Air」に接続したところ、驚くことに、ちゃんと機能した。明るいセカンドモニターが目の前に現れた。「Chrome」と「Slack」を画面内にドラッグした。メガネに映る画面を見ながら文字を入力し、同僚にメッセージを返す。ノートブックのディスプレイのセカンドスクリーンとなったこのメガネの隙間から時々下を覗くと、そこには、電子メールや他のタブが表示されていた。
TCLのこの新しいウェアラブルディスプレイメガネはVRでもARでもなく、単純なウェアラブルディスプレイだ。だが、このメガネのディスプレイは、筆者の予想をはるかに上回る性能を備えている。現状では、すべてのデバイスに対応するわけではない(実際のところ、対応するデバイスは非常に少ない)が、デバイスと接続できる小型メガネというアイデアは興味深いものだ。価格がもう少し安く、装着感がもう少し快適で、ここまで特殊でなければ、もっと良かったのだが。
NXTWEAR Gは、DisplayPort代替モード対応のUSB-C/Thunderboltデバイスと互換性がある。つまり、すべての「Android」スマートフォンまたはタブレットが機能するわけではない(筆者のレビュアーキットに含まれていた「TCL 20 Pro 5G」スマートフォンは必要な互換ポートを備えている)。残念ながら、「Nintendo Switch」には対応していない。NXTWEAR Gの有用性は、ユーザーによって異なってくるだろう。
TCLのレビュアーガイドには、対応するさまざまなデバイスが記載されている。これには、「Galaxy S8」以降のサムスンのほとんどのスマートフォンに加えて、ASUSやRazer、HTC、ソニー、LG、OPPO、OnePlusの多くのスマートフォン、さらには、「BlackBerry KEY2」も含まれる。NXTWEAR Gは、多くの「Windows」ノートPC、Appleの「MacBook Air」および「MacBook Pro」モデル、「iPad Pro」(USB-C/Thunderboltポートを搭載するモデル)、Googleの「Chromebook」(「Pixelbook」や「Pixel Slate」など)にも対応する。
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