顔面にディスプレイを装着--メガネ型端末、TCL「NXTWEAR G」をレビュー - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年08月05日 07時30分

 TCLによると、NXTWEAR Gを装着すると、140インチの画面が目の前にあるように感じられるという。筆者が装着したときの、自分の目との距離からすると、机の上に置いたモニターやテレビと比べて、140インチよりも40インチ、あるいは、27インチ画面に近いとさえ感じた。メガネをかけているので、距離は相対的だ。だが、13インチのノートブックよりも大きく見えることは間違いない。16対9の表示領域はNXTWEAR Gの下部に配置されており、横の視野は広いが、縦の視野は狭い(TCLによると、対角視野は47度だという)。画面全体を見るには、鼻の上でデバイスの位置を微調整しなければならないこともあった。1920×1080ピクセルの解像度、60Hzという性能は、コンピューターモニターとして使用するのに十分だ。筆者の用途もまさにそれだった。文字は、小さく表示される場合でも読むことができた。明るくて鮮明なソニーのOLEDマイクロディスプレイパネルは、マイクロOLEDがウェアラブルヘッドセットにいかに適しているのかを効果的に証明している。

 3つのノーズチップ(交換可能)はさまざまな顔の形に対応するはずだ。NXTWEAR Gに最初から付いていたノーズチップは、筆者の分厚いメガネにぴったりとフィットしたが、上部のゴム製の縁がレンズを少し圧迫していた。

 フレームは太いものの、外側から見ると、ほぼ普通のメガネのように見える。重量は約130gで、それほど重くない。つるの部分は、普通のメガネと同じように折りたたむことができる。ただし、片方のつるから出ているケーブル(デバイスとの接続に必要)は邪魔に感じることが多い(NXTWEAR Gはワイヤレスではない)。

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内部の見た目を撮影するのは難しいが、ノーズパッドの画像を載せておく。小さいレンズに気が付くだろう。
提供:Scott Stein/CNET

セカンドモニターとしてのメガネ

 思い付きで試してみるまで、NXTWEAR GでMacBook Airを利用できるかどうか分からなかったが、動作したので、驚いた。ただし、再生できたのは動画だけで、音声は出力されなかった。モニターの解像度は明るく、カラフルで鮮明なのでテキストやウェブの閲覧には適しているが、再生した動画は変にぼんやりとしていて、解像度も低かった。

 筆者はNXTWEAR Gを使って、本稿を執筆した。今、NXTWEAR Gのディスプレイを通して、「Googleドキュメント」の文書を見ている。文字はくっきりと表示されている。装着時の表示領域は、いつもの距離から見る13インチノートブックの画面よりも大きく感じる。目の焦点の合わせ方がいつもとちょっと違うだけだ。これは、長期間使った場合、目にどのような影響を及ぼすのだろうか。長く装着していると疲労を感じるようになるのだろうか。

iPad Proにも対応

 NXTWEAR Gを2020年のiPad Proに接続すると、想定通りの結果を得られた。つまり、iPadの画面がミラーリングされた。Appleは「iPadOS」でUSB-C/Thunderboltモニターのサポートにあまり力を入れていないが、動画は全画面で再生できる。映画「ロスト・ハイウェイ」の一部をNXTWEAR Gで視聴したところ、ディスプレイが明るすぎるように見えることがあると改めて感じた。

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提供:Scott Stein/CNET

 iPadに接続したときの黒レベルは、OLED搭載の通常のスマートフォンやタブレットと比べると、黒さが全く足りなかった。

 M1搭載のiPad Proでは機能しなかった。理由は不明だが、「iPadOS 15」のベータ版をインストールしているからかもしれない。断定はできない。

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