パーソル総合研究所は、「はたらく人の幸せに関する調査【続報版】」と題した調査結果を、6月8日付けで公表。調査は2月に実施したもので、2020年2月に実施した初回調査に続き、2回目となるもの。対象は全国の就業者3000人で、テレワーク実施者が1249人、テレワークを全く行っていないと回答した出社者が1751人。
同研究所は、はたらく人の心理状態を「幸せ」と「不幸せ」の2軸で捉え、幸せや不幸せをもたらす7つの要因を測定する診断ツール「はたらく人の幸せ/不幸せ診断」を開発し、無料で公開している。
初回調査(2020年2月)と、今回の2回目の調査(2021年2月)を比較すると、はたらく幸せの実感はほぼ変わらないが、不幸せは減少。在宅勤務などのテレワークの実施をはじめ、コロナ禍における働き方の変化によって、従来受けていた不快なストレスが低減していることが推察されるという。
はたらく幸せについて、テレワーカーと出社者を比較すると、はたらく幸せの実感や、はたらく幸せの要因となる因子のすべてにおいて、テレワーカーの方が良好な状態に。テレワーカーは幸福度の高い状態で勤務している傾向にあることが示唆される結果としている。
はたらく不幸せについて、テレワーカーと出社者を比較すると、全般的に大きな差はないものの、オーバーワーク因子については、出社者よりもテレワーカーのポイントが高く、不良な状態にあると指摘する。
偏回帰係数でテレワークが与えるはたらく幸せへの影響をみると、在宅勤務やモバイルワークなどのテレワークは、はたらく幸せの実感を上昇させ、不幸せの実感を減少させる傾向にあったという。
20代のはたらく幸せ・不幸せの実感については、テレワーカーと出社者を比較すると、テレワーカーの方がはたらく幸せの実感は低く、不幸せの実感は高いとし、20代のテレワーカーの心理的な状態には注意が必要であると指摘している。
はたらく不幸せの要因となる因子について、テレワーカーと出社者を比較すると、「自己抑圧因子」「オーバーワーク因子」「協働不全因子」「疎外感因子」について、テレワーカーの方が不幸せ度合いが高い層と低い層に二極化する傾向が見られたという。年代別にみると、20代は二極化の傾向が特に強くなっており、全体的な傾向としてテレワーカーは幸福度が高く不幸度が低い傾向にあるが、年代や仕事の習熟状態によっては不幸せを高めてしまうリスクがあり、注意が必要だとしている。
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