あしたのチームは、コロナ禍のテレワークと人事の課題に関する調査を実施し、その結果を5月18日付で公表した。対象は全国の従業員数5名以上の企業に勤める正社員で、2020年3月~2021年3月に平均週2日以上テレワークをした一般社員、および同期間に自身または平均週2日以上テレワークをした部下を持つ管理職で、20歳~59歳の男女で、有効回答数は300人(管理職:150人、一般社員:150人)。調査実施期間は4月23~26日で、インターネットによる調査となっている。
テレワーク時の部下の人事評価について、部下の人事評価をすることがある管理職のうち、テレワーク時の人事評価が「オフィス出社時と比べて難しい」と回答したのは61.1%、「変わらない」と回答したのは37.9%という。新型コロナウイルスの影響で一気にテレワークへの移行が進んだ2020年3月の調査と比較すると、「難しい」の回答割合は12.6ポイント減り、「変わらない」の割合が15.7ポイント増える結果となったという。
テレワーク時の人事評価が「オフィス出社時と比べて難しい」と回答した方に、難しいと感じる理由を聞いたところ、1位は「勤務態度が見えないから」で、62.1%。2位は「成果につながる行動(アクション数、内容等)を細かく把握しづらいから」で、58.6%。3位は「勤務時間を正確に把握しづらいから」で、41.4%という結果に。2020年3月調査と比べると、各項目の回答割合は減り改善傾向も見られるものの、回答順位は同様の結果としており、テレワークでの人事評価が難しいと感じる方の場合、部下の勤務状況が見えにくいため評価しづらいという課題が、1年経っても解決できていない実態があると指摘している。
テレワークでの人事評価を難しくしている「勤務状況の見えにくさ」について対策を行ったかを管理職の方に質問したところ、行った施策は「チームでのミーティング(オンライン含む)の回数を増やした」が34.6%で最多に。次いで「毎日スケジュールやタスクを共有するようにした」が30.0%、「ひとつの業務の開始・終了など、細かく業務報告をするようにした」が25.4%と、ミーティングや業務報告の頻度を増やすことで、状況を把握するようにしたという回答が多くなった。
なお、前問で回答した施策により、お互いの勤務状況が見えやすくなったか聞くと「そう思う」が19.1%、「ややそう思う」が60.0%で、約8割が勤務状況が見えやすくなったと回答し改善が見られたとしている。
今後希望する働き方について質問すると、「週の半分はテレワーク、半分は出社するハイブリッド型」が60.7%で最多。「毎日テレワークで働く」の20.7%を合わせると、8割以上が今後もテレワークをしたいと回答。一般社員では「毎日テレワークで働く」が26.0%と、4人に1人が今後も完全テレワークを希望。役職に関わらず従業員はテレワークをコロナ禍における一時的な対応とはとらえておらず、今後もスタンダードな働き方として続けていきたいと考えているとしている。あわせて同社では「企業にとってテレワークを想定した体制や制度への対応は、もはや先送りにできない課題」と指摘する。
自社の人事評価制度(評価方法、評価基準など)をテレワークの実態に合わせて見直し・改訂する必要性があるかについては「そう思う」は27.3%、「ややそう思う」は55.6%で、8割以上が見直し・改訂の必要性があると回答。
一方、現時点でテレワークに合わせて自社の人事評価制度の改訂が「行われた」と回答したのは14.4%と、1割強にとどまる結果に。「まだ行われていないが検討中・準備中」が25.5%、「行われていない」が49.1%、「わからない」が11.1%と、8割以上が未だテレワークに合わせた人事評価制度への改訂をしていない実態があると指摘している。
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