米国時間6月8日、「Apple Music」で空間オーディオが利用可能になった。没入型オーディオとも表現されるこの音声フォーマットは、近年さまざまな形式で徐々に見受けられるようになっているが、Appleの音楽サブスクリプションサービスで聴けるようになるのは今回が初めてだ。
AppleのGagan Gupta氏は年次開発者会議「WWDC 2021」で、「Ariana Grande、The Weeknd、J Balvin、Kacey Musgravesといったお気に入りのアーティストのアルバムで、本日から利用可能になる」と述べた。
空間オーディオは、ビデオ通話、音楽、特別にリミックスされた楽曲などに高さと奥行きのような効果をもたらす。Appleは2020年、「AirPods Pro」で空間オーディオをサポートした。AirPods Proは加速度センサーを利用して、頭の動きをトラッキングするため、ユーザーが頭を動かしても常に音場はデバイスから離れない。
音楽向け空間オーディオの規格は主に2つある。Dolby Laboratoriesの「Dolby Atmos Music」と、ソニーの「360 Reality Audio」だ。AppleはAtmosをサポートする。
Apple MusicとBeats担当バイスプレジデントのOliver Schusser氏は5月のプレスリリースで、「Dolby Atmosで曲を聴くのは、まるで魔法のようだ。音楽が周囲のあらゆる方向から降り注ぎ、素晴らしい響きをもたらす」と述べていた。
Apple Musicは月額980円だ。Dolby Atmos Music対応のアルバムは詳細ページにバッジが表示される。Apple MusicのAtmos対応は5月に発表された。Amazonも5月、米国など一部の国の「Amazon Music Unlimited」契約者を対象に、追加料金なしで高音質ストリーミングサービス「Amazon Music HD」にアップグレードできるようにすると発表した。Amazon Music HDには、7000万曲のロスレス楽曲が含まれているほか、Dolby Atmos対応の楽曲も拡充されている。
Appleのデバイスで再生できる空間オーディオは、Apple Musicが初めて提供するわけではない。音楽ストリーミングサービスのTIDALは2020年5月、「Apple TV 4K」を含む対応デバイス向けにDolby Atmos Musicを配信開始した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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