ソニーは、米国ラスベガスで開催されているCES 2019において、全方位からの音に包まれる「音場」を作り出す音楽体験「360 Reality Audio」やソニー初の8K液晶テレビ「ブラビアMASTER Series Z9G(98/85)」などを出展した。
360 Reality Audioは、アーティストがライブ演奏をする場に入り込んだかのような、臨場感豊かな音場を実現するオブジェクトベースの空間音響技術。コンテンツの制作時に、ボーカル、コーラス、楽器などの音源に距離や角度などの位置情報を付けて全方位に配置ができ、再生時には、制作意図が反映された、360度全ての方向から音が届く体験ができるという。
ソニーでは、コンテンツ制作ツールを提供することで、主要音楽レーベルなどと対応コンテンツの整備と拡充を進めて考え。過去の楽曲でもマルチトラック音源であれば、制作ツールで360 Reality Audioに対応できるとしている。
音楽配信に最適化したフォーマットの公開を予定しており、欧州最大の応用研究機構に属するフラウンホーファー IISの協力のもと、国際標準であるMPEG-H 3D Audioに準拠する予定。各音楽配信サービスのプレミアムサービスでの配信を計画している。
同日には、ライブ・エンタテインメント企業であるライブ・ネーション・エンタテインメントとコンテンツの企画、制作における協業も発表。今後は、主要音楽レーベルの対応コンテンツがDeezer(ディーザー)、nugs.net(ナグズネット)、Qobuz(コボス)、TIDAL(タイダル)などの音楽配信サービスから提供され、ヘッドホンなどの対応オーディオ機器で再生可能となる予定だ。
360 Reality Audioが体験できるワイヤレススピーカーも参考展示。ワンボックススピーカーに複数のユニットを配置することで全方位に音を放射できるとしている。商品化時期や想定価格は未定とのことだ。
ビジュアル関連では、ブラビア MASTER Seriesとして、8K液晶テレビ Z9Gシリーズと4K有機ELテレビの新フラッグシップとなるA9Gシリーズを展示した。
Z9Gシリーズは、次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate(エックスワン アルティメイト)」に、8K超解像アルゴリズム用の専用データベースを内蔵し、あらゆるコンテンツを8K解像度にアップコンバートする「8K X-Reality PRO(エックス リアリティ プロ)」を搭載。バックライト技術「Backlight Master Drive(バックライトマスタードライブ)」には、8K用に最適化したバックライトLEDモジュールと制御アルゴリズムを新規に開発した。
画面の上下に4つのスピーカーを搭載した「Acoustic Multi-Audio(アコースティック マルチ オーディオ)」により、画面から音が出ているような高音質再生を体験できるとしている。
A9Gシリーズは、壁掛け時に従来比約2分の1の薄さにできるスリムモデル。X1 Ultimateに加えて、深い黒から高輝度の鮮やかな色まで忠実に再現する独自のパネル制御技術「Pixel Contrast Booster(ピクセル コントラスト ブースター)」を搭載する。
ブース内は、「ビジュアル・エンタテインメント」「ミュージック・エンタテインメント」「α」「プレイステーション」などのエリア別に分かれており、αエリアでは、「α9」と「α7」シリーズ、「Gマスター」をはじめ充実したミラーレス専用設計のレンズ群をプロフォトグラファーの作品とともに紹介。プレイステーションエリアでは、「PlayStation 4」と「PlayStation VR」による、アクションゲーム「ASTRO BOT:RESCUE MISSION」の体験コーナーを設置した。このほか、車載向けイメージセンサーが実現する将来の自動運転の映像や、エンタテインメントロボット「aibo」なども展示している。
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