ヤフーは6月8日、同社のサイト上などに掲載される広告サービスの審査実績をまとめた「2020年度広告サービス品質に関する透明性レポート」を発表した。レポートは2021年で3回目となり、ユーザーや広告主、広告会社に安心してサービスを利用してもらえるように取り組みを発表しているもの。
同社の広告掲載基準では、「最上級」「No.1」といった誇大広告や詐欺広告、ユーザーに不快感や不安感をあたえる広告の出稿を禁止している。同社のメディア統括本部 トラスト&セーフティ本部長の一条裕仁氏によると、2020年度は約1億7000万件の広告素材を同社の基準に抵触するとして審査で非承認にし、2019年度の総数と比較すると約6000万件減少しているという。
減少要因として、違反表現を繰り返したり、非承認広告を大量に入稿する広告主が減少したことに加え、ヤフーが広告主向けに行なっている掲載基準への理解促進のための啓発活動の効果もあるとしている。
非承認理由の内訳は以下の通りで、広告タイトルや説明文、画像に「最上級」「No.1」といった誇大表現が使われているケースや、医療機関による広告で、医療法や医療広告ガイドラインを遵守していないことで非承認となったケースが過半数を占める。画像と動画では、ユーザーに不快感をあたえるとして非承認となったものが多い。
ユーザーに不快感をあたえる広告について、トラスト&セーフティ本部ポリシー室長の中村茜氏は「薄毛や体型など、身体的特徴を強調したものが多い」といい、「(それらをコンプレックスだと)決めつける広告はお断りしている」と述べ、広告主に対してもそのような種類の広告を控えるよう周知していると説明した。
また、中村氏は、近年欧米などでも話題を集めている「政治広告」についての質問にも回答。「政党や選挙の広告そのもの自体は規制していない」としながらも、「出稿できる広告主を限定しているほか、表現なども(前述の)基準に沿ったもののみ掲載している」と述べた。
ヤフーでは、これらの広告に関する審査を24時間365日体制で運用しており、審査システムとスタッフの両方を活用して、不正を排除することでブランド価値とメディアの信頼性の担保に寄与しているとしている。広告の掲載前と掲載後にダブルチェックすることで確実性を高めたほか、アドフラウド対策として「無効クリック検知システム」を導入するなど、取り組みを一層強化していく方針。
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