「ラブライブ!」ニジガク校内シャッフルフェスティバルで見た“想いを交換しあうステージ” - (page 3)

 鬼頭さんが歌ったのは、エマの楽曲「Evergreen」。マイペース系スクールアイドル彼方としての柔らかい歌声やふわふわ感のある衣装、そして自然あふれる光景を感じさせる楽曲があわさり、癒しと眠りの空間を生み出していた。また曲の最後に目をつぶるだけではなく頭を傾けて寝るというところなど、随所に彼方らしさも出していた。

「Evergreen」
「Evergreen」
鬼頭明里さん(近江彼方役)
鬼頭明里さん(近江彼方役)

 せつ菜の楽曲でロック調の「CHASE!」を歌ったのは相良さん。かわいさを求めるかすみと、熱さが全開のせつ菜というどこか対照的な要素が組み合わさったステージとなり、客席への煽ややところどころで“かわいいかすみん”をアピールしつつ、キレのあるダンスやキックの振り付けのほか、ロングトーンを響かせたりと熱唱。小悪魔系スクールアイドルかすみが秘めた本気を新しい形で感じさせるステージとなっていた。

「CHASE!」
「CHASE!」
相良茉優さん(中須かすみ役)
相良茉優さん(中須かすみ役)

 久保田さんが歌ったのは、愛の楽曲「めっちゃGoing!!」。果林といえば“オトナの女性”をほうふつとさせるメンバーであるなか、ダジャレや今どきの言葉使いが混ざったフレーズなどテンアゲ(※「テンションアゲアゲ」の略)な曲をうたう形となったが、艶のある歌声をひびかせつつも楽しんで歌う果林の姿を表現し、セクシー系スクールアイドル果林の新境地が見えるステージとなっていた。

「めっちゃGoing!!」
「めっちゃGoing!!」
久保田未夢さん(朝香果林役)
久保田未夢さん(朝香果林役)

 歩夢の楽曲「夢への一歩」を歌ったのは指出さん。成長していこうとする姿を描いた王道的なアイドルソングを軽快に歌い、癒し系スクールアイドルエマの真っ直ぐな気持ちが伝わるステージとなっていた。

指出毬亜さん(エマ・ヴェルデ役)
指出毬亜さん(エマ・ヴェルデ役)

 最後に登場したのは前田さんで、歌ったのは璃奈の楽曲「ドキピポ☆エモーション」。近未来を感じさせる曲にピョコピョコ動くような振り付け、さらには璃奈ちゃんボードならぬ“しずちゃんボード”を持ってのコールなどもあり、演技派系スクールアイドルしずくが表現するキュートでかわいい姿を示していた。

「ドキピポ☆エモーション」
「ドキピポ☆エモーション」
前田佳織里さん(桜坂しずく役)
前田佳織里さん(桜坂しずく役)

 キャスト陣が揃っての挨拶やトークをにぎやかに行いつつ、特に会場で“あなた”がいる前で、初めて小泉さんや10人でステージに立つことができたことの喜びなどが語られていた。そしてスクスタのライブMVを背景に、ニジガクはじまりの曲である「TOKIMEKI Runners」を10人バージョンで披露。さらにアンコールでは「Love U my friends」、そして「Just Believe!!!」と、10色のコンサートライトで彩られた会場のなかで歌い締めくくった。

「TOKIMEKI Runners」
「TOKIMEKI Runners」
「TOKIMEKI Runners」
「TOKIMEKI Runners」
「Love U my friends」
「Love U my friends」
「Love U my friends」
「Love U my friends」
「Just Believe!!!」
「Just Believe!!!」

 そのメンバーを表した曲を別のメンバーが歌うとどうなるか、それを見ていたいという気持ちを叶える内容だった。振りなどを再現しつつもメンバーらしさを出しているということが凄く伝わり、各メンバーの新たな一面や魅力がより引き出されたように感じられるものとなっていた。終盤の挨拶のなかでは口をそろえて、その曲を歌っているメンバーへの尊敬を語り、あわせて、別のメンバーが歌っている姿を見て新たな発見や、刺激を受けたことも話しており、メンバーと曲に対して込めている想いを交換しあう、そして新たな成長に繋げていくと思わせてくれるようなステージとなっていた。

 そして感想のなかでは、久しぶりに有観客でステージができたことの喜びも語られていた。コール&レスポンスもコンサートライトや拍手でできるようにと工夫を凝らしたものとなっていたほか、声援が控える形になっても事あるごとに大きな拍手が巻き起こるなど、”あなた”とも想いを伝え合う場になっていたのも感じたところだ。

 また余談ではあるが、筆者お気に入りのメンバーがエマ・ヴェルデということを踏まえて印象に残ったのは、指出さんがエマとして歌った「夢への一歩」。いつもであれば場内は、歌うメンバーのイメージカラー一色に染まるのだが、今回はオリジナルを歌うメンバーカラーのコンサートライトも振られており、このときはグリーンとところどころピンクで、草原というよりもお花畑のような光景になっていた。

「夢への一歩」
「夢への一歩」

 とかくサビの部分で手を差し出して指を差しながらウィンクするところが様になっていたこともあるのだが、この曲では腕を伸ばしたり手を差し出したりするときの“説得力”みたいなものを感じていたところで、そこを丁寧にしているところが印象的だった。ほかにも、間奏で行われる「はぁい!はぁい!」という煽りも、勢い付けるというよりは柔らかく伝えるようにと思えたのも、リスペクトが感じられたところだ。

 エマといえばスイスからスクールアイドルになるために留学したメンバー。夢に向かって進んでいく曲を歌うことの相性の良さが際立っていたこともさることながら、癒しの雰囲気はありつつも行動力があり、スクールアイドルに対しての想いの強さや決意を感じさせ、それを引き出しているステージと思えた次第だ。

 今後の展開についても発表され、3つあるグループ内ユニットにおける2ndシングルが発売決定。「DiverDiva」は5月26日、「A・ZU・NA」6月16日、「QU4RTZ」7月14日にそれぞれ発売予定。また、ユニットライブ&ファンミーティングも9~10月にそれぞれ開催する。詳細は公式サイトに記載されている。さらに、2ndライブ振り返りインタビューやユニットグラビアなどを収録しているスペシャルムック「LoveLive!Days 虹ヶ咲SPECIAL 2021 Spring」を4月30日に発売する。

 またスクスタについても、追加機能であるスクールアイドルチャンネルが3月30日から実装されているほか、スクスタ発の楽曲「Just Believe!!!」をテーマにした新衣装が4月から登場予定となっている。

「LoveLive!Days 虹ヶ咲SPECIAL 2021 Spring」
「LoveLive!Days 虹ヶ咲SPECIAL 2021 Spring」
スクスタ新衣装「Just Believe!!!」
スクスタ新衣装「Just Believe!!!」

(C)2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

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