Microsoftは1年以上前から、新しい消費者コミュニティーの獲得につながる買収を模索している。早ければ4月にもその計画が実現する可能性があるかもしれない。
サンフランシスコを拠点にゲームに特化したソーシャルメディアを展開するDiscordが先週、複数の売却先候補と交渉していると報じられた。VentureBeatをはじめ、複数のメディアが報じた。さらにThe Wall Street Journal (WSJ)は、買収先候補がMicrosoftに絞られており、4月までに、Microsoftが100億ドル(約1兆1000億円)超でDiscordを買収する交渉が進められている可能性があると報じている。
Microsoftウォッチャーとして筆者の私見を述べると、DiscordはMicrosoftの買収対象として、TikTokやPinterestよりはるかに理にかなっている。TikTokとPinterestは、消費者ユーザー基盤を拡大する手段としてMicrosoftが視野に入れていた「コミュニティー」だ。また、ゲームはMicrosoftが最も成功を収めている消費者分野の1つだ。ユーザーは、「Xbox」アカウントをDiscordと連携できるようになっている。
Microsoftは、Discordでも提供されている音声、動画、テキストチャットのサービスとして、既に「Skype」や「Teams」を提供している。Microsoftがゲームコミュニティーの拡大を狙った手段として、ゲーム配信サービスMixerがあったが、あまり功を奏さなかったようだ。それでも、潜在的な相乗効果は負の側面をしのぐように感じられる。
Microsoftのこれまでのような戦略に従うとすれば、LinkedInやGitHubと同様に、Discordはほぼ独立した形で運営できることになるだろう。Discordは同社のサービスを「Google Cloud」で運営するとされているが、「Azure」への移行に時間を要する可能性もある。
MicrosoftがDiscordを100億ドルで買収すれば、同社によるこれまでの取引の中でも大型の買収となる。LinkedInは2016年に262億ドルで買収されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」