セルラーチップを自社開発?ミュンヘンに半導体開発拠点を新設--Appleニュース一気読み

 Appleはドイツ・ミュンヘンに、European Silicon Design Center(欧州シリコンデザインセンター)を新設することを明らかにした。今後3年間で、10億ユーロ(約1290億円)を投資して研究開発に取り組むのは、5Gを中心とした未来の無線技術を用いたソリューションの構築だという。

 Appleは2020年10月に、同社として初めて5Gに対応するiPhone 12シリーズを発表し、この売上を含む2021年第1四半期決算は1100億ドルを上回る過去最高の売上高を記録した。その一つの要因に、ようやく次世代通信に対応し、買い換え動機(スーパーサイクル)を誘ったと分析することができる。

 とはいえ、Appleの5G対応製品はまだiPhone 12の4モデルのみで、他のセルラー対応製品であるiPhone SE、Apple Watch、iPadといった各製品は、4Gまでの対応となっている。

 2021年にも、iPadの5G対応は期待されるが、バッテリー消費やエリア、そしてコストの観点から、Apple WatchやiPhone SEの5G対応はまだ先になりそうだ。

 加えて、Apple以外のPCメーカーは、4G、あるいは5Gモデムを搭載するノートPC製品をラインアップに加えている。Apple Siliconに移行したMacの低消費電力ぶりを見ると、Macの5G対応など、今までセルラー対応しなかった製品も期待したい。

 AppleはiPhone 11まで、Intelのモデムを利用してきた。その背景には、Qualcommとの係争があったが、和解したことで2020年モデルのiPhoneでの5G対応を果たした経緯があった。

 その裏で、Appleとの取引が打ち切られたIntelのスマートフォン向けモデム開発部門を、Appleが買収。当初はQualcommとの交渉を有利に進める狙いも透けたが、Apple Siliconでアプリケーションプロセッサやグラフィックスチップの内製化を進めていることを考えると、近い将来Appleは自社設計のモデム(Apple Modem)を搭載する製品群を発表するだろう。

 その先のやりたいことも見えてくる。AシリーズやSシリーズ、MシリーズといったApple Siliconへの5Gモデムの統合によって、省電力化を更に推し進め、デバイスの特性上バッテリーを積み増すことが難しいApple Watchの5G化を実現していくことになるのではないだろうか。

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