パーソル総合研究所は、2020年10月に公表した「人材マネジメントにおけるデジタル活用に関する調査 2020」に関連して、新型コロナ感染拡大のレベルに応じた企業のテレワーク方針に関する集計結果を、1月4日付で発表した。
調査の実施時期は2020年7月28~30日で、調査対象者は人事、総務、経営企画担当者(第一次産業は除く、従業員規模が100名以上)の800名。調査会社モニターを用いたインターネット定量調査となっている。
その結果によれば、テレワークを認めるとの企業の回答割合(原則テレワークもしくはテレワーク推奨と、希望に応じてテレワーク可との合計)は、緊急事態宣言が発出された場合は71.1%、新型コロナ感染リスクがある場合は60.1%、新型コロナ収束後の場合は44.8%となっている。企業の方針として原則テレワーク/テレワーク推奨とする企業は、緊急事態発令時で43.6%、新型コロナ感染リスクがある場合で23.5%。新型コロナが収束した場合でも、その約半数程度となる全体の11.9%としている。
パーソル総合研究所側では、新型コロナの感染リスクが高まっている状況と言える現状を踏まえ、調査結果に則れば、企業の少なくとも6割超はテレワークを認めていると考えられるが、そのうち、原則テレワーク/テレワーク推奨という積極的な意思を表明している企業は2割強に過ぎないことを指摘。また、2020年の5月末から6月初頭にかけて行った「第三回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」においても、テレワークの企業方針について「特に案内がない」との回答割合は57.1%に及び、勤務先から明確に意思表示されない傾向が見受けられたとしている。
これを踏まえ「テレワークの実施を企業側が推奨せずに従業員側の意向にゆだねる場合、テレワークができる仕事や状況であっても、上司や同僚などに気がねして出社してしまうこともありうる」と指摘。新型コロナ感染拡大の防止や、従業員の健康配慮の観点から、実際に個々のテレワーク実施率やテレワーク頻度を上げるためには、企業が希望に応じてテレワークを認めるだけではなく、経営としてはっきり推奨する、繰り返し伝えるなど、明確な意思表示が求められるとしている。
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