Googleのある従業員グループが米国時間12月7日、Timnit Gebru氏の離職についてブログで反応した。著名な人工知能(AI)研究者のGebru氏は、GoogleのAIシステムに批判的な研究論文の共著者に名を連ねた後、先週解雇されたと主張している。
従業員グループはGebru氏を支持するブログ記事の中で、同氏はGoogleに自ら辞職を願い出たわけではないとして、GoogleのAI部門を率いるJeff Dean氏が出した公式声明に反論している。Dean氏は先週、「Gebru氏の辞職をめぐる懸念」が生じていることを理由に、自身がGoogle従業員に送信したGebru氏の退社に関するメールの文面をツイートしていた。
当のGebru氏は、Googleに解雇されたと述べている。同氏は先週、一連のツイートで自ら辞職を願い出たのではないと主張し、それにもかかわらずGoogleのエンジニアリング担当バイスプレジデントMegan Kacholia氏が、「私の辞職を受け入れた」とするメールをGebru氏の直属の部下宛てに送ってきたのだと説明している。
論争の中心となっているのは、Gebru氏とその他4人のGoogle従業員が著者となり、AIの大規模言語モデルに生じるバイアス(偏見、先入観)の危険性について取り上げた研究論文だ。論文では、Googleが自社の看板である検索エンジンを含む製品に使用しているモデルに関しても検証がなされている。Gebru氏によると、自身と同僚は論文を撤回するか、論文から自分たちの名前を削除するよう求められたという。
Googleは、Gebru氏とそのチームが、同社における論文承認のための提出プロセスに従わなかったことで問題が生じたと述べており、Dean氏によるとこのプロセスには2週間を要するという。これに対してGebru氏を支持する従業員グループは、2週間前までの提出は「明確な要件」ではなく、これまでに論文の「半数弱」が期限まで1日かそれ以下のタイミングで提出されているとブログで反論している。
Gebru氏がGoogleとの状況をツイートした先週から、テクノロジー業界では同氏の離職が激しい論争を呼んでおり、そうした中で今回のブログが投稿された。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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