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グローバルで拡大するフードテック--「代替タンパク」の世界動向、植物由来の生マグロも

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 ベンチャーキャピタル/アクセラレーターのPlug and Play Japanは11月17日、「代替タンパク」をテーマにしたオンラインカンファレンスを実施した。代替タンパクとして「代替肉」が最近注目されているが、研究室で作る人口培養肉や昆虫食、二酸化炭素から作るエコなタンパク質など幅広い。

 カンファレンスでは、農林水産省がフードテック推進に向けた取り組みについて、また米国や欧州、アジアなど5社が代替タンパクスタートアップの取り組みについて語った。

 冒頭では主催であるPlug and Play Japan ディレクターの貴志優紀氏が登壇し、グローバルにおけるフードテック市場規模がほぼ右肩上がりに推移していると話した。

フードテック領域の投資額とディール数の推移
フードテック領域の投資額とディール数の推移

 「フードテックはアグリテックやファームテックなどとも関連していて幅広い。企業も食品系以外の企業もいて、食の業界に非常に注目している。1つの領域だけ見ていてはいつディスラプト(崩壊)するか分からないため、1つの業界だけでなくバリューチェーンの上下から水平展開など、業界全体を俯瞰する必要がある。日本では上流から下流まで網羅するエコシステムがないため『ホワイトスペース』だ。業界が右肩上がりになっているので、それを背景にいろいろな方々が注目している」(貴志氏)

フードテックが注目される理由
フードテックが注目される理由

農林水産省を中心にフードテック官民協議会を設立

 農林水産省 大臣官房政策課 企画官の大曲英男氏は「大手流通小売店では、肉のようなものからパスタソースまで幅広く植物性タンパクを使った製品が発売されており、植物性タンパクに対する選択肢が広がっている」と語った。

 「無印良品の『コオロギせんべい』や培養肉の報道など、メディアでも『環境』を背景とした植物性タンパクや昆虫食、培養肉に関する記事が掲載されている。新たなタンパクに関しては、社会受容性をいかに高めるかが課題だ」(大曲氏)

代替タンパクの現状
代替タンパクの現状

 農林水産省では4月に「フードテック研究会」を立ち上げ、7月に中間とりまとめをした。そうした中で、官民がフラットに対話できるオープンイノベーションの場が必要だという指摘を受け、10月に「フードテック官民協議会」を立ち上げた。官民協議会は現在約550人が参加しており、「作業部会」と「コミュニティ活動」、それをまとめる「全体会」という構成で活動をスタートしている。

農林水産省のフードテックに関する動き
農林水産省のフードテックに関する動き

 中間とりまとめで指摘された代替タンパクの問題としては、個々の技術戦略等を超えた業界コミュニティの形成と、共通の課題を特定して解決に向けた官民連携が必要だと大曲氏は語る。

 「新しい技術は消費者にどう受け入れていただくかが非常に重要だ。コミュニティを作り、どのような課題があるのかを洗い出して優先課題を特定し、協調して取り組む必要がある。民間だけでなく、ルール形成を担当する行政もコミュニケーションした方がいいし、研究開発に携わるアカデミアにも入っていただき、より具体的な課題解決が進むような枠組みを作る必要がある。これは昆虫テクノロジーについても同じようなことを考えている」(大曲氏)

代替タンパクの課題
代替タンパクの課題

 官民協議会では7つの作業部会がスタートており、「官民連携して課題を特定し、どういうアクションを取ればいいのか深掘りしたい」(大曲氏)という。

フードテック官民協議会内の作業部会の概要
フードテック官民協議会内の作業部会の概要

 「大企業とスタートアップなど、おのおのの強みを生かしたパートナーとしての取り組みが必要だ。フードテックは諸外国に比べて投資額は非常に少ない状況で、ここをいかに盛り上げていくのかがフードテックの振興にとって大きな課題だ。解決には出資や業務提携も含む大企業とスタートアップなど、海外も含めた連携が必要だ。Plug and Playのようなイノベーションプラットフォームのネットワークを活用しながら、行政サイドの規制のルール形成、公的支援策、研究開発、それぞれの立場で動くことでフードテックが新興できると考えている」(大曲氏)

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