望遠レンズを使うと、遠距離からは気づけないような細部まで捉えることができる。遠方に見える岩場も、岩と木々のディテールがよく分かる。
65mm望遠カメラといえど、キヤノンの70~200mmレンズのようなデジタル一眼レフ用ポートレートレンズには及ぶべくもない。それでも、ズームインはポートレート撮影に適しているし、スマートフォンで予想されるよりは従来のポートレート写真の焦点距離に近い感じで使える。
Appleの新しい処理技術、「Smart HDR 3」と少し前から登場した「Deep Fusion」は、iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxのどちらでも、背面カメラ3つと前面カメラのすべてに採用されており、これがAppleのカメラ成功の大きな要因になっている。
Deep Fusionは、高度な機械学習によって写真をピクセル単位で処理し、大きな効果を出す。前面カメラのポートレートモードで撮影した下のセルフィー写真でも、超微細なディテールが再現され、ノイズが大幅に除去されているのが分かる。バックパックのストラップの素材も見分けられるし、バンダナの細かな繊維まで忠実に再現されている。
Deep FusionとSmart HDR 3によるピクセル単位の処理が、画像の幅広いトーンでディテールを見事に引き出しているのは、下の写真でもっとよく分かる。Smart HDR 3の機能で、明るい夕陽と、前景の岩や鳥の影のディテールがどちらも見事に描き出されている。波が崩れるときのしぶきも、きめ細かく鮮明に写っている。
この写真では、色調の範囲が広い背景も、波のディテールも正確に描写されており、鮮やかな青空の露出も適正だ。
次の写真では、Smart HDR 3が美しい日没を実物に近いホワイトバランスで再現している。海面の泡も、前景から遠景の波打ち際まで、鮮明できめ細かいディテールを保っている。
iPhone 12 Pro Maxは、写真撮影の旅にぴったりのカメラだと言っていい。ロスト海岸のような孤絶した自然のなかで、これほどコンパクトで高性能なカメラを持ち歩けるというのは、とてつもない福音だ。Appleの「ProRAW」ファイル形式は、2020年内に利用できるようになる予定だが、強力な後処理機能と組み合わせれば、ハードウェアとソフトウェアが一体となった大きなメリットを存分に味わえるようになるはずだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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