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コロナ禍でリセットされた働き方とマインドセット--澤円氏が説く「新時代を乗り切る力」

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 Skyは11月5日より、コロナ禍の新しい働き方やビジネス能力を学ぶバーチャルイベント「Sky Technology Fair 2020 Virtual」を開催中だ。参加無料で開催期間は2021年1月5日まで。ここでは圓窓代表の澤円氏のセッション「働き方とマインドセットをリセット! 新時代を乗り切る力とは」の内容を紹介する。


圓窓代表の澤円氏のセッション「働き方とマインドセットをリセット! 新時代を乗り切る力とは」

連絡において「電話」は最悪のツール

 コロナ禍における我々の日常生活や働き方が、大きく変化したことは改めて述べるまでもない。澤氏は「以前から"働き方改革"というキーワードで在宅勤務を推進してきたが、コロナ禍で一気に舵が切られた。いわゆる"リモートワーク元年"と読んで構わない」と持論を語る。そのリモートワークを実現するには、ITツールの活用が欠かせないものの、我々はITツールを使いこなしていなかったのでは、と疑問を呈しつつ、「リモートワーク≠ITツール活用」ではないと同氏は強調する。

 「ITツールを導入しても働き方自体は変わらない。たとえば、"ほうれんそう(報告・連絡・相談)"には、時間軸が必要」だと澤氏。報告=過去、連絡=現在、相談=未来と定義付け、「できる限りここ(未来)に時間を使ってほしい。報告や連絡に時間を消費せず、圧縮するのが真の"働き方のアップデート"。ITツールを用いたリモートワークはあくまでも手段であり、時間という概念を念頭において働き方を見直さなければならない」と説明する。

 「過去を変えてはいけない」と前置きしつつ、現在を示す連絡について澤氏は「最悪のツールは電話」と強調した。電話は即時性を持って相手に連絡できるツールだが、相手の耳と口、そして時間を奪ってしまう。さらに着信音は集中力を阻害する大きな要因となる。一度途切れた集中力を再び高めることに苦労した経験をお持ちの方も少なくないだろう。

 未来を指し示す相談については、飲み会などフェイストゥーフェイスによる人間関係の構築が土台となると説明しつつも、コロナ禍にある現状ではそれも難しいと指摘。「(人が)集まった方が創造的なアイデアが出ると考える人もいる。それも1つの解だが、働き方が元に戻ってしまう。そのような意識は一度捨てた方がいい」と、旧来型の関係性構築方法についても、見直す要素の1つであると提唱した。

今は「世界のリセットボタンが押された状態」

 澤氏は1993年に社会人となり、1995年8月(日本は11月)に米国で発売されたWindows 95とインターネットの普及を取り上げながら、「世界が変わった瞬間に立ち会うことができた。今はそのときに至極類似している」と語る。Windows 95 OSR2はインターネットサービスプロバイダーへの接続に必要だったTCP/IPをサポートしており、インターネットの普及に拍車をかけた。

圓窓(えんそう)代表 澤円氏
圓窓(えんそう)代表 澤円氏

 新型コロナウイルスの大流行とインターネットの普及を「世界同時」というキーワードで結びつけながら、「1995年を境に全世界でインターネットが使えるようになった。新型コロナウイルスの登場も世界中の人々が影響に同時に受けている。その結果は大きく異なるが、世界経済やビジネスのあり方を変えたという意味では同じだ」と解説する。

 これらの持論を踏まえて澤氏は「世界がリセットされた。世界のリセットボタンが押されている状態」と説明した。続けて「リセット後の答えを誰も持っていない」と指摘しつつ、コロナ禍では多様な働き方が選択できる状態にあることに気付いたのでは、と視聴者に自覚をうながした。

 「会議室で会議する、資料を作って客先でプレゼンテーションするのではなく、自宅や近所のカフェ、場合によっては車内でITツールを活用して営業活用や社内会議に参加する。多様な働き方を強制的に体験することで、選択肢の存在に気付いたはず。(我々は)マインドセットのアップデートが必要だ」と、働き方に対する価値観を更新すべきだと述べた。

 とはいえ、価値観の更新は決して容易ではない。人は経験や知見から価値観を構築していく生き物だからだ。同氏は価値観の更新に戸惑う人々向けに、ビル・ゲイツ氏も高く評価するキャロル・S・ドゥエック著の「マインドセット: 『やればできる!』の研究」を一読することを奨励した。

「マインドセット: 『やればできる!』の研究」
「マインドセット: 『やればできる!』の研究」

「よい子」の概念を壊す--大事なのは止めること

 IT企業の一大拠点であるシリコンバレーについて澤氏は、「友人との会話では、シリコンバレーは『場所』という概念ではなく、『シリコンバレーというマインドセットがある』という話になる」という。シリコンバレーで働くことは「世の中をよりよくしようと思う連中が集まってイノベーションを起こす。それがたまたまあのエリア。情熱がもっとも重要視され、尊重される」からこそ、シリコンバレーというマインドセットを抱き、コロナ禍にある世界に対して情熱を持って接しなければならないと語る。

 そのための実現方法として、澤氏は"よい子の概念を壊す"ことを提唱した。我々が国内で受けてきた教育を振り返ってみると、教師や親のいうことを聞く、勉強や習いごとを頑張る、ルールや常識を守るといった従順・努力・遵法といった規範を当てはめられてきたことが分かる。この規範に対して同氏は「本当に正しいのか」と突きつけた。教師や親の発言が必ずしも正解ではなく、学習内容は汎用スキル、ルールは無駄な制約となり、前述した価値観の更新を阻害する要因になると持論を述べる。

 澤氏は具体的な解決策として、「ジコチュー(自己中心的)になればいい」と言う。日本人の一般的概念から見れば否定的な語句だが、「自分が他人に対して、どのように貢献できるのか。そして貢献に役立たない部分を止められるか」と概要を示しつつ、会議の廃止や時間の概念を身につけるといった具体的な行動内容を提示した。

 「外資系企業では1時間のミーティングが45分で終わると、『fifty minutes back to you(15分お返しする)』という言い回しを使う。これが定着すると時間が貴重であることが再認識できる」。このような取り組みで生まれた余剰時間を、自己鍛錬や幸福な時間を増やすことに費やす"自己中心的"な取り組みを推奨した。

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