小田急百貨店新宿店の出入口に、非接触で測温しながら除菌ができる「安心ゲート」が設置された。足元除菌センサーや足元ミスト除菌、手指除菌に加え、自動検温や混雑度感知もできるカメラなども備え、コロナ禍における安心、安全な買い物をサポートする。
安心ゲートは、パナソニックと小田急百貨店が共同で実施している「安心ゲートソリューション」の実証実験として設置されているもの。10月30日から2021年2月末までをメドに、中央口、カリヨン北口、モザイク通り口の3カ所で実施している。
ゲートには、センサー、ミスト、ディスプレイなどがセットされており、ディスプレイの前に立つとカメラが顔の位置を検出し、表面温度を測定。台の上にある足元除菌センサーに手のひらをかざすと、足元にミスト状の電解除菌水を5秒間噴射する。手指除菌スプレーも備え、完全非接触で手指、足元除菌、測温が可能だ。
ディスプレイには、マスクを装着していないとアラートが出るほか、ゲート上部にはカメラを搭載し、ゲート前を通過する人数を計測。年齢や性別といった来訪者の属性傾向も把握でき、百貨店内の混雑度もわかるという。
今回の実証実験は「ウィズコロナ時代においても実店舗におけるリアルな買い物体験がしたい」という利用者のニーズに応え、実施したもの。将来的には混雑度状況を把握することで、密を回避できる時間帯での買い物などを促す。小田急電鉄との連携も視野に入れており、鉄道の混雑状況データも組み合わせ、移動時間の安心も提供する計画だ。
新宿は、店舗やオフィスが数多くあり、日本屈指に大都市。新宿駅周辺は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い38.5%の来訪者が減少し、現在もエリア内の経済活動において大きな影響を受けている。パナソニックでは、新宿で実証実験をすることで、どの場所にも対応できると考え、新宿に発着駅を持ち、百貨店などの店舗も構える小田急グループと連携したという。
実証実験開始から1週間程度だが、ざっくり半数程度の人が使用しているとのこと。足元除菌は、くしゃみなどによる飛沫が床に落下し、さらにその上を人が歩くと飛沫がほこりとともに舞い上がるという実験結果を受け、足元除菌の重要性をアピールするために導入したとのこと。足元まで除菌するという行動変容を促したいとする。
床面に噴射するため、ノズルを独自開発することで濡れにくく、蒸発しやすいミストを噴射できる、パナソニック独自の「ぬれにくい微細ミスト技術」を採用している。
2月末をメドにしている実証実験以降は、アップデートする形で継続していく方針。地方自治体など協業先を増やし、安心空間の提供が集客装置となり、消費拡大や地域活性化に貢献していきたいとしている。
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