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「自販機」を日本から世界へ--サントリービバレッジソリューション森氏の想いと挑戦 - (page 3)

藤井涼 (編集部) 日沼諭史2020年10月30日 09時00分
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 社員の皆さんがいつも笑顔で仕事をしているところが好きです。みんな楽しそうに仕事しているので、自分も仕事をしていることに誇りを感じられるんですよね。最近は意思決定も適切な階層で行えている印象をもっているので、会社の風土とそれを裏付ける制度、これが両輪で回っていることが素晴らしいと思います。

 あと私の場合、頻繁に「仕事が好きなんで!」や「今日の仕事、めっちゃおもろかった!」とよく言うんですけど、それが同僚から異質だと捉えられないのは、何か会社として特徴的なのかもしれないです。「仕事好き?」とか「仕事楽しい?」という質問に対してポジティブな答えを返す社員は、比較的多いのではと思います。

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——社員の皆さんがそういうマインドになるのはなぜでしょう。根源にあるものを知りたいです。

 お客様に指名買いいただける商品を多数保持できているサントリーは日本社会の1つのパーツ・歯車になれているそんな気がしています。そのサントリーの中で歯車になれている実感があれば、逆説的ですけど、社会の歯車にもなれていると感じる瞬間があって、社会参画の意識が持ちやすいところがあると私は思うんです。

 消費財っていう、どんなお客様にもアプローチできる商品ポートフォリオを持っていて、赤ちゃんからお年寄りまで、多くのお客様に寄り添える。この新商品はおいしかったよとか、この商品はどうしてこんな味にしたんだとか、そういうことも直接言ってもらえる。それはすごく幸せなことなんです。

 それで、「サントリーって社会の大事な1つのパーツなんだな」と思える。会社の中で貢献実感がもし得られる瞬間があるなら、同時に社会に貢献できている瞬間を感じられるのではないでしょうか。

大事なのはパッションと、それを高く維持する人脈や仕組み

——ご自身でも会社を経営されているとのことですが、社外活動についてもう少し詳しく聞かせてください。

 実は、これまでに起業して2回廃業させています。絶望の淵を何回かさまよいましたよ(笑)。友だちからはゾンビと呼ばれてますね。倒れても何度でもやるので。

 いまの会社では、メールソフトのOutlookについて教える先生と、「脱マウス仕事術」ということで、キーボードだけで仕事する方法を教えるショートカットキーの先生をしています。「ストリートアカデミー」というマッチングサイトで、定時後に10人程度生徒を集めて講演する形にしています。あとは先ほどお話したように、それらを執筆して本にしていますね。

副業でキーボードやメールソフトの講師をしている
副業でキーボードやメールソフトの講師をしている

 私は「可処分時間を増やす」というのを人生の1つのテーマにしていて、宅弁もお昼の休憩時間の可処分時間を増やすという視点でやっていますし、メールソフトの先生もそうです。仕事中に半径5~10mを見渡した時に、みんなが何をやってるかというと、だいたいメールを打っていて、一番そこに時間費やしている。Excelの先生はごまんといるのに、メールの効率化を科学する人がいないなと思ったんです。

 僕はそういう研究をするのが好きなので、空いている時間でちょこちょこ研究して披露しているんです。お客様である生徒の皆さんは、大企業に勤務されている30〜40代の男女の方がメインですが、本を出版してからはお客様が増えましたね。

——ご自身が今一番面白いと思っていること、関心をもっていることはありますか。

 Microsoft 365のPower Automateというノーコード開発ツールですね。判断の入らない業務ならそのほぼ全てをプログラミングなしで自動化できてしまいます。最近はこれで販売拠点からの販促ツールの申請をシステム化しました。

 昔はExcelの表に記入したり、FAXで送信したりした後、誰かが集計する必要がありました。自動化されたことで集計していた人はその部分の業務がゼロになったので、効率化の度合いは大きいですよね。こういった効率化につながるツールは、もっと多くのビジネスパーソンの方が使って、可処分時間を増やして、新しいチャレンジをしたり、家族と過ごす時間を増やしたりしてほしいなと強く思います。

——大企業に所属しながら自分のやりたいことを貫いたり、新しいことにチャレンジしたりするために必要なことは何だと思いますか。

 ちょっとダサいかもしれませんが「熱量」ですね。強烈な熱量と、その熱量を維持・継続する仕組み。なかでも継続する仕組みのところが大事だと思います。熱量は一時的に高めることはできますが、長く維持し続けることは難しいですから。

 なので、熱量の高い人たちを自分の身の回りに大切な人脈として持っておくこと。もしくは自分の中で熱量を充電できる時間をもつこと。たとえば、私の中ではメールソフトや脱マウスの先生をしている時間がそれに当たります。

 新規事業って時にすごく孤独で、誰もやったことがないから正解もないし、課題だらけで、大体はうまくいかない。でも、プライベートで先生の活動をやっているときは、高確率でお客様の笑顔や驚きを感じることができています。つまり、自己肯定感や熱量を得やすい状態になっています。

 そうやって振り子みたいに1つ高いポジションをプライベートで取れるものがあれば、そこから本業に一気に振り返すことができるので、熱量を継続的に維持できる仕組みを持っておくことが大事ですよね。

——森さんの今後のビジョンを聞かせてください。

 サントリーのDNAでもある「やってみなはれ」という言葉。これをこの先100年、会社として言い続けていきたいし、言い続けられるような人材が集う会社にしたいです。自分自身、この言葉に負けないようなキャリアを歩んでいきたいと思っています。

 会社で働いている時間だけでなく、それ以外のプライベートも含めた人生が「やってみなはれ」な生き方でありたいし、その両方とも面白い人生にしていく、というのが私なりの抱負ですね。そして欲を言えば、仕事の時間も含めて、『楽しい』と口に出していうビジネスパーソンがもっともっと多い社会に微力ながら近づけていければと思っています。

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——ありがとうございました。では、最後に森さんが尊敬する他社のイントレプレナーをご紹介いただけますでしょうか。また、なぜその方を選ばれたのかも教えてください。

 東芝デジタルソリューションズから社内起業を実行中の金子祐紀さんをご紹介します。(現在は、エイベックスと合弁会社をつくり、コエステの執行役員)。理由は2つで、世界の視座で「70億人のコエ市場」を創造するという強いビジョンを持たれてるから、そして私自身のロールモデルだからです。ぜひいろいろと深堀りしてきてください!

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