自動車用にしろ、歩行者用にしろ、目的地までの道案内をするナビゲーションシステムは、画面に地図や曲がり角といった情報を表示しつつ、音声で曲がるタイミングなどを教えてくれる。
これに対しAppleは、音声の聞こえてくる方向で進行方向を伝えるナビゲーション技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間8月20日に「SPATIAL AUDIO NAVIGATION」(公開特許番号「US 2020/0264006 A1」)として公開された。出願日は2018年9月25日。
この特許は、特定の方向から音が聞こえてくるように感じさせることで、進む方向や曲がる方向を指示できるナビゲーションシステムを説明したもの。ユーザーは、ステレオ出力に対応するヘッドホンなどを装着するため、安全性を考えると歩行者向けのナビゲーションに適用する技術だろう。
目的地とユーザーの所在地を比較して移動経路を決め、所在地に応じてどの方向へ案内するか決めたら、その方向に合わせて案内音を再生する。ただし、音の内容は言葉で曲がる方向を示すだけでなく、電話の通話や音楽、オーディオブック、ラジオなど、どのような音でも構わない。たとえば、好きな音楽を楽しみながら、その音楽の聞こえる方向へ進めば目的地へ向かえるわけだ。
音の方向は、音量や周波数、リバーブ(反響)を調整して再現する。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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