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マイクロソフトのTikTok買収検討、「毒入り聖杯」?それとも楽な金稼ぎ?

Ian Sherr (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年08月14日 07時30分
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 Microsoftがソーシャルメディア分野の新興勢力、TikTokの買収を検討しているとのニュースが報じられたとき、長年のMicrosoftウォッチャーの多くが驚きを表した。同社の共同創設者であるBill Gates氏でさえ、300億ドル(約3兆2000億円)規模になる可能性もあるTikTok買収について、「毒入りの聖杯」と表現したのである。

MicrosoftとTikTokのロゴ
提供:Angela Lang/CNET

 米国時間8月6日、Donald Trump米大統領は、TikTokを運営する字節跳動(バイトダンス)との取引を禁止する大統領令に署名した。この命令には、45日間の猶予が設けられている。これは、米国企業がTikTokの一部または全体を買収しない限り、TikTokが米国で利用できなくなることを意味する。例えば、AppleやGoogleのアプリストアから抹消されるかもしれない。

 大統領令には、「中国企業が開発し所有するモバイルアプリが米国で拡散していることは、米国の安全、外交政策および経済を脅かし続けている。現時点では、1つのモバイルアプリ、具体的にはTikTokによる脅威に対処するための行動が必要だ」と書かれている。

 TikTokは国家安全保障上の脅威とみなされているだけではない。一部の政府機関や民間企業も、自社ネットワークに接続されたスマートフォンで同アプリを使うことを禁止している。Trump大統領がこの命令に署名した背景には、そうした状況があった。議会も、すべての政府支給の端末でTikTokの使用を禁止する法案を可決した(ただし、これらの禁止措置が法的な異議申し立てに耐えうるものかどうかは不明だ)。

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提供:Getty Images

 このような経緯があってもなお、テクノロジーウォッチャーたちは、MicrosoftがTikTok買収に興味を示していることを知って驚いた。Microsoftは主にビジネスやコンピューター向けソフトウェアで知られているのに対し、TikTokはごく短い動画を共有するソーシャルメディアサービスで、若者の間で高い人気を誇っているからだ。

 TikTokで最も人気の高いビデオクリップは、ティーンエイジャーが、ラッパーK Campの曲「Lottery」(歌詞でrenegadeという単語が繰り返されるので、TikTokでは「renegade」として知られる)や、カントリーラップシンガーBlanco Brownの曲「The Git Up」などに合わせて、手の込んだ短いダンスを再現する動画だ。この2つの楽曲に合わせて踊る人々のTikTok動画は、合計で22億回以上再生されている。

 85歳の映画スターであるDame Judi Denchさんまでもが、22歳の孫息子にTikTokダンスを教わった。Denchさんは英国のChannel 4 Newsに対して、「私はTikTokダンスに救われた」と語っている。意味もなく時間が過ぎ去る日々が何カ月も続いていた時期に、TikTokのおかげで目標ができたのだという。「ダンスのすべての動きについて、練習が必要。自然にできるものと思ってはいけない」(Denchさん)

 真面目なMicrosoftのオフィス生産性ソフトやPCソフトウェアについて人々が語る印象とはかけ離れた雰囲気だ。MicrosoftによるTikTok買収のニュースに人々が困惑するのは、そこに一因がある。それに加えて、同社の歴史を振り返ると、大失敗に終わった消費者向け製品がいくつもある。「Windows Phone」OSやNokia、若者向けのスマートフォン「KIN」、「iPod」に対抗して発売された「Zune」を思い出してほしい。そして今回は、数十億ドルもの大金をTikTokに賭けようとしているようだ。

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