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マイクロソフトのTikTok買収検討、「毒入り聖杯」?それとも楽な金稼ぎ? - (page 3)

Ian Sherr (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年08月14日 07時30分
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 TikTokの買収が、MicrosoftがXbox事業を拡大するための1つの手段だと考えられるのには、ちゃんとした理由がある。例えば、ビデオゲームはYouTubeで最も人気のあるジャンルの1つだ。Amazonの「Twitch」も、業界で最も影響力があり、最も広く使用されているゲーム実況などのライブストリーミングサービスの1つである。一方、Facebookは「Facebook Gaming」サービスとOculus事業の両方を通して、ゲーム分野への投資を拡大させている。Facebookは、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)のヘッドセットの開発を手がけるOculus VRを、2014年に20億ドル超で買収している。

Xbox
提供:Angela Lang/CNET

 創設から45年を迎えたMicrosoftがソーシャルメディア企業を手に入れれば、(統計データプラットフォームを提供するStatistaのデータによると)TikTokを世界的な人気サービスに変えた10代の若者たちに、ビデオゲーム機Xboxの魅力をもっとアピールできるようになるかもしれない。

ソーシャル分野で再起をかけるか

 Microsoftの元CEOであるSteve Ballmer氏は、スマートフォン事業と検索事業の流行の波に乗り損ねたことを後悔している、と語っていた。Ballmer氏は競合他社に追いつくため、少なくとも70億ドルを費やして大手携帯電話会社のNokiaを買収したが、スマートフォン事業は失敗に終わった。その7年前に、同氏は米Yahooを446億ドルで買収しようとして失敗している。

 Microsoftウォッチャーの中には、同社がソーシャルメディアでも同じ道を進もうとしていると考える者もいる。つまり、それが賢明な方策かどうかはわからないが、買収によってその分野に進出しようとしている、ということだ。

 TECHanalysis ResearchのアナリストであるBob O'Donnell氏は、「今回のユーザー層は、通常、Microsoftがターゲットとしていない層だ」と指摘する。だが、ここには落とし穴がある。

 Microsoftはこの数年間、人々のプライバシーの権利を主張しており、FacebookとGoogleが依存しているターゲット広告モデルには問題があることをAppleと共に提言してきた。TikTokを買収すれば、それは実質的に、世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookと競合することになり、Microsoftはターゲット広告モデルが正しいことなのか、間違ったことなのかを証明せざるを得なくなるだろう。

大きな賭け

 だが、MicrosoftによるTikTokの買収は、通常の企業取引以上の意味合いを持つ。Trump大統領は、バイトダンスに対して、米国で事業を継続したいのならTikTokを売却しろと事実上強要することで、TikTokの買収を国家安全保障問題に変えてしまった。

 バイトダンスのCEOを務める張一鳴氏は、CNNが入手した全社的なメモの中で、次のように述べている。「米国などの国の現在の環境では、一部の政治家が中国、ひいては中国企業を激しく攻撃しているので、複雑な状況について、思いやりを持った微妙な会話をすることが難しくなっている」

 TikTokを買収すれば、Microsoftは、米国と中国が緊張関係にある状況で、米国の味方をしているという印象を中国企業や中国政府に与えてしまうおそれがある。

 「Microsoftが中国にとって良くないことに加担してしまったら、それは同社にとっても良くないことだ。Microsoftは、同社の倫理的におそらく正しくないことをしている奇妙な立場に置かれ、それについて、将来的に説明責任を果たさなければならなくなる可能性もある」。Endpoint Technologies AssociatesのアナリストであるRoger Kay氏は、そう指摘する。

 だが、それは買収が実現した場合の話だ。この1週間で、うわさの内容はころころ変わっている。最初は、MicrosoftがTikTokの一部のみを買収すると言われていたが、それがTikTok全体の買収に変わり、次は、AppleがTikTokを買収したがっている可能性があるとのうわさも流れた(Appleは否定している)。

 この買収騒動がどのような結末を迎えるにせよ、1本か2本のTikTok動画に値する展開になる可能性は高い。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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