Microsoftの元最高経営責任者(CEO)であるBill Gates氏は、8月7日に掲載されたWiredとのインタビューでTikTok買収に言及し、「私がダンスの動きについて批評したら、彼らにとって素晴らしい付加価値になるだろう」と皮肉を述べている。さらに、この買収は奇妙で、「毒入りの聖杯」のようだと表現し、Microsoftの先行きは厳しいことをほのめかした。「ソーシャルメディア分野でビッグになるのは、決して簡単なことではない」(同氏)
Microsoftは、現CEOのSatya Nadella氏やプレジデントのBrad Smith氏へのインタビュー要請には応じなかった。Nadella氏がTikTok買収の可能性についてTrump大統領と電話で話したことを明かした8月2日の公式ブログ記事を除けば、Microsoftは買収をめぐる状況について、ほぼ沈黙を保ったままだ。
一方、IT分野の動向の専門家たちは、1330億ドル(約14兆円)の現金を所有し、Nadella氏の下でこの6年間に80社以上を買収したMicrosoftがTikTokを欲しがる理由を、解明しようと試みている。
MicrosoftはTikTokを(米国で禁止予定であることを理由に)安く買収し、後で高額で売却して大金を手に入れようとしているのではないか、と主張する者もいる。例えば、Wedbush Securitiesのアナリストは8月7日、投資家宛てのメモの中で、適切に事を進められれば(本当にうまくいけば、の話だが)、MicrosoftがTikTok買収に投じる最大400億ドル(約4兆3000億円)は、「数年で」約2000億ドル(約21兆円)に膨れ上がる可能性もある、と述べている。
それとは別に、Microsoftが消費者向けテクノロジーにもう一度大きく賭けようとしているのではないか、と考える者もいる。現在、成功を収めている同社の消費者向け事業は、主にビデオゲーム機「Xbox」やゲームサービスを中心に展開されているが、ノートPCおよびタブレットの「Surface」も高い評価を得ている。どちらもMicrosoftの「More Personal Computing」部門の一部であり、この部門は2019年に約456億ドル(約4兆9000億円)の売上高を記録した。同社のそれ以外の売り上げは、「Office」スイートなどのビジネスソフトウェア、PCのOSである「Windows」、「Azure」サーバー事業を含む企業向けテクノロジーからもたらされている。
「Microsoftが最も力を入れているのはビジネス向けのソフトウェアとサービスだが、同社の中には、もっと若者にアピールできるよう努力している部門もいくつかある」。米CNETの姉妹サイト米ZDNetにMicrosoft関連の記事を長年寄稿しているMary Jo Foley記者は、そう述べている。「最も明白なのがXboxだ」
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