米下院司法委員会の反トラスト法に関する小委員会の公聴会が米国時間7月29日に開かれ、世界最大手のハイテク企業であるApple、Amazon、Facebook、Googleのトップが顔をそろえた。4社の中でも、議員からひときわ大きな非難を浴びたのはGoogleだった。
Googleの最高経営責任者(CEO)を務めるSundar Pichai氏は、民主党と共和党、両方の議員から批判された。度重なる批判の標的とされたのは、同社の広告事業とプライバシー慣行、そして米軍との協業に対する同社のポリシーだ。
下院による巨大IT企業の調査を主導しているDavid Cicilline議員(民主党、ロードアイランド州選出)は、Googleを即座に狙い撃ちした。
明るいベージュ色の、シンプルな内装のオフィスからビデオ通話で公聴会に臨んだPichai氏に対し、Cicilline氏は冒頭から、「なぜGoogleは誠実な企業からコンテンツを盗んでいるのか」と回答を迫った。Cicilline氏のこの質問は、Googleがパブリッシャーや他のウェブサイトからコンテンツを流用していることが、競合他社に損害を与えているとの批判を踏まえたものだ。Googleの検索エンジンは、検索結果にリンクの一覧を表示するだけでなく、リンク先のコンテンツの一部を回答として表示している。
この追求に対し、「そのような見方には同意できない」とPichai氏は応じた。
他の議員もGoogleを徹底的に攻撃した。Matt Gaetz議員(共和党、フロリダ州選出)は、Googleの中国との関係を問いただした。さらに同議員は2回目の質問の順番が回ってくると、Googleが保守的な意見を抑圧していると非難した。これは、共和党所属の議員が以前からたびたび繰り返してきた主張だ。また、Greg Steube議員(共和党、フロリダ州選出)も、Googleが反保守的な傾向に偏っているとのテーマを取り上げた。
これに対して、Pichai氏はGoogleが所有する巨大動画プラットフォームに言及し、「(YouTubeでは)保守的な意見がかつてないほど掲載されている」と回答した。
この公聴会では、Pichai氏のほかに、FacebookのMark Zuckerberg氏、AmazonのJeff Bezos氏、AppleのTim Cook氏という3人のCEOが証言に臨んだ。だが、いざ公聴会が始まると、議員らはCook氏と世界一の富豪であるBezos氏にはほとんど質問をしなかった。もっとも、公聴会が進むにつれて、Bezos氏に対する質問は増えていった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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