Googleは次世代のウェアラブルデバイスを作り出そうと、ホログラムのアイコンを映し出すサングラスや、デジタル画面とアナログの針を兼ね備えるスマートウォッチなど、さまざまなプロジェクトの開発や出資に関わってきている。
サングラスとスマートウォッチの各プロジェクトは、デジタルな体験と物理的な体験の融合を目指す同社のInteraction Labによるものだ。
Interaction Labの目標は、Googleの「ウェアラブルのコンセプトとインターフェイス技術について、素早くハードウェアの試作品を作成する能力」を高めることだと、リーダーのAlex Olwal氏は述べる。その取り組みは製品ロードマップというよりも科学実験に近いとみられ、「Apple Watch」やSnapの「Spectacles」と競うのではなく、アイデアを実証することを目指しているようだ。とはいえ、そうした取り組みを一通り見てみると、ウェアラブル技術に向けたGoogleの野望の一端をうかがうことができる。
他にも、世界各国の大学との協力による複数のプロジェクトがあり、そのうち少なくとも2件は、コンピューターサイエンスとエンジニアリングに関する学術研究を支援する「Google Faculty Research Awards」から資金提供を受けている。
ウェアラブル技術を開発することの意味は、単にハードウェアを販売するということではない。センサーを搭載したデバイスを消費者が身に着けるということは、スマートフォンやデスク上で人々が生み出すものを超えるデータの宝庫が手に入るということだ。このことは、ユーザーの個人的データに基づくターゲティング広告で年間1600億ドル(約17兆円)以上を得ているGoogleにとっては特に重要だ。さらに、こうしたデバイスはヘルスケアやフィットネスなど、利益の大きい事業への足掛かりにもなる。一方、シリコンバレー企業がリーチの拡大を続けていることについては、議員や規制当局がプライバシー面で懸念を抱いている。
GoogleはInteraction Labのプロジェクトの1つについて、既にデモを披露している。1月にサンフランシスコで開催されたAI関連のイベントで同社が披露した「I/O Braid」は、ワイヤーに触れることでデバイスを操作できるというものだ。例えばイヤホンの布製ワイヤーをひねったりつまんだりすることにより、スマートフォンの音楽の再生、停止、音量調節ができる。
しかし、同ラボによる他の取り組みや、Olwal氏がGoogleで進めるウェアラブル技術プロジェクトは、これまであまり注目されてこなかった。その一部をここで紹介したい。
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