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「就任から半年、ほぼコロナ禍」--フェイスブック ジャパン新代表の味澤氏がいま思うこと - (page 2)

藤井涼 (編集部) 藤川理絵2020年07月08日 11時00分
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SNSの誹謗中傷は「許容しない」

——プラットフォームが持つ課題という点では、SNSでの誹謗中傷が大きな問題になっています。人気リアリティーショー「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(22歳)が5月23日に亡くなりました。木村さんのSNSには1日に100件近く誹謗中傷の書き込みがあり、自ら命を絶ったとみられています。FacebookやInstagramを運営する立場として、この点についてはどう考えていますか。また対策などについても教えてください。

 まず初めに、木村花さんの訃報を大変残念に思うとともに、ご家族、ご友人および世界中のファンの皆様へ謹んでお悔やみ申し上げます。Facebookにとって利用者の皆様の安全は最重要事項であり、有害なコンテンツや言動、行為は許容しません。ネット上のいじめや嫌がらせへの対応にも注力しており、これまでもさまざまな取り組みや機能を導入しています。

 業界をあげての取り組みとしては、4月にSNSなどの安⼼・安全な利⽤環境を実現するため「⼀般社団法⼈ソーシャルメディア利⽤環境整備機構」(SMAJ)を設⽴しました。また、5月26日には「ソーシャルメディア上の名誉毀損や侮辱等を意図したコンテンツの投稿行為等に対する緊急声明」と題して、今後さらなる対策を検討するため、SMAJの全理事をメンバーとした特別委員会を設置することを発表しました。これからも関連する団体や業界の皆様と一緒に、引き続き対策を続けていきたいと考えています。

 Facebookとしての取り組みとしては、コミュニティ規定(Facebook)・コミュニティガイドライン(Instagram)を定め、あらゆる不適切なコンテンツに対応しています。また、ヘイトや暴力的なコンテンツ、嫌がらせ、いじめなどについては、AIと人員を組み合わせて対処しています。

 安心・安全やコンテンツの監視に取り組む人員も全世界で約3万5000人に増員し、365日24時間体制でコミュニティ規定に反する不適切な投稿を見つけ出して対応しています。また、利用者の皆さまからのご報告を受けて不適切なコンテンツに対応することもしています。

 このほか、利用者の皆様にご自身の体験を管理していただくため、コメントの管理や、望まないやりとりから自身を保護するための設定なども提供しています。これらの機能の啓発のためにNPOやパートナーとも協働しており、これからも関連する団体や業界の皆様と一緒に対策を続けていきます。

 特に急速な伸びを見せているInstagramでは、オンラインのいじめ対策で業界を牽引する存在になることを目指しており、機能の強化や啓発に注力しています。相手を不快にさせる可能性があるコメントをAIで特定し、投稿しようとしている利用者に事前に通知する機能や、コメントを一括で削除する機能、ネガティブなコメントを投稿するアカウントを複数ブロックまたは制限する機能を導入することで、ポジティブな環境を保つ取り組みを続けています。

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 あらゆる利用者の皆様に安心・安全にInstagramを利用していただくための取り組みを、今後も継続していきたいと思っています。

「ワンチーム」で社会・経済に貢献したい

——フェイスブック ジャパンでの組織作りにおいて、大切にしていることを教えてください。

 僕が大事にしたいのは、コミュニティをサポートして、人と人をつなげるというミッションを遂行し、日本の社会・経済に貢献することです。まずはこれを全社をあげてやっていく、ということを組織に浸透させたいと思っています。

 ただ、事業ドメインが多くグローバルでは非常に大きな組織なので、レポートラインが複雑になりがちという側面もあります。「ワンジャパン」「ワンストラテジー」という形で、みんなで共通のミッションを持って働いていくことを大事にしたいですね。

 入社してまだ半年ですが、日本のリーダーシップのメンバーとは、非常に細かい戦略を立案したりもしています。コロナ禍において日本で注力すべきことを話し合い、6月24日には新たな事業方針として、「社会・経済への貢献」「安心安全な環境作り」「イノベーション」という3つの柱を発表しました。

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——社長就任後から新型コロナウイルスによって、従業員といきなり物理的に会うことが難しい状況になるという、かなりレアなケースだと思います。この半年間のマネジメントを振り返っていかがでしたか。

 就任して半年間、ほぼコロナ禍でした。長い職業人生の中で、マネジメント経験も長いですが、今回は非常にレアなオンボーディングの経験だったなと思います。入社して約1カ月が経った2月中旬にシンガポールに出張していたのですが、日本国内でも感染が広がり、ニュースでも大々的に取り上げられるようになっていました。

 すぐに日本のメンバーと話し合って、部分的にリモートワークを開始しましたが、この決断で一番大事にしていたのは、従業員の安全です。誰も経験したことがない状況で、どこまで広がるかも分からなかったので、従業員を守るため、日本オフィスは3月上旬には全社的にリモートに移行しました。

 というのも、プラットフォームには「社会インフラである」という面があります。事業の継続性が非常に重要なのです。ですので、従業員を守ることは大事ですが、同時にそれを確保することで事業の継続性が保たれるということを、真っ先に考えました。

 そのあと直ちに、プラットフォームとして日本国内で何ができるかについて、社内ディスカッションを始め、いまは3つのことに注力したいと考えています。1つ目は、生活も仕事もリモートになる状況ですので、人と人のつながりを作ることをサポートすること。2つ目は、誤情報や悪意のある情報を、きっちり止めようということ。3つ目が、人の移動が制限されたリモートの状態での経済支援をすることです。

——米Facebookでは2020年末まで在宅勤務を許可したそうですが、フェイスブック ジャパンの働き方は、今後どのようにシフトしていくのでしょう。

 日本も同じく、2020年末までは従業員全員、希望すればリモートワークを選択可能です。オフィス再開や、かねてより予定されていた新オフィスへの移転についても、並行して協議中ですが、オフィスに人を戻す上限は25%にする予定です。

 我々は、もともとリモートワークという働き方が選択可能で、その仕組みもありましたので、機能面で困ることはなかったのですが、今回の件でこれからは、人のつながりを作ることで、モラルやモチベーションを維持するということが、非常に重要になると明確に分かりました。

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