Facebook Japan味澤代表がコロナ禍の事業方針を発表--インスタの飲食店支援も強化

 Facebook Japanは6月24日、新型コロナウイルスの影響下における事業方針を説明した。2020年1月に就任した同社代表取締役の味澤将宏氏は、「人々のつながりを保つための取り組みのほか、正確な情報提供と誤情報や有害なコンテンツを制限するための取り組み、中小ビジネスを対象とした経済的再建を支援する取り組みを通じて、日本経済に貢献する」と意気込みを語った。

Facebook Japan 代表取締役 味澤将宏氏
Facebook Japan代表取締役の味澤将宏氏

 新型コロナウイルスの影響を受けて2月中旬から段階的に、3月以降は全社でリモートワークに移行したFacebook Japan。米国本社は今後5〜10年間で従業員の50%をリモートワークに切り替える方針を表明しているが、Facebook Japanは「すでにリモートワークを前提とした雇用も開始した」(味澤氏)という。

 また、社員同士のつながりや以前のオフィスで実施していたカジュアルな会話をテレワーク環境でも維持するため、毎日「コーヒーチャット」という時間を設けているという。他方でオフィスを継続して維持することも表明。2020年内に東京オフィスを虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーへと移転する予定だという。

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コロナ禍のFacebook Japanの事業方針

 そんな同社はニューノーマル(新常態)時代における自社の事業方針として、「社会・経済への貢献」「安心安全な環境作り」「イノベーション」という3つの柱に注力するという。

 5月18日に発表した全国応援村実行委員会との連携の第1弾として、「コロナと闘う応援村」に参加する600以上の自治体向けに情報発信セミナーを開催し、Facebook上には匿名投稿やバッジ、メンタリング機能を備える新たな「子育てグループ」を追加した。

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 同社のVRソリューションである「Oculus for Business」の活用は海外を中心に始まっており、Johnson&JohnsonやHilton Hotels&Resortsはスタッフの訓練に活用しているという。「国内の公開可能な事例はないものの、今年と来年は積極的な投資を行う」(味澤氏)。

 また、ビジネス向けSNSの「Workplace from Facebook」には、非アカウント所有者を含めた最大50人とビデオ通話を可能にする「Workplaceルーム」のほか、デスクトップPCからライブ配信する「Live Producer」、Oculus for Businessとの連携機能などを実装する予定だ。

 中小企業支援策として、6月16日から提供を開始した「Facebookショップ」は、中小企業が自社のECサイトを持たずに顧客へリーチできるサービス。Facebook Japanは「企業の規模や予算に関係なく、オンライン事業を始められる」(味澤氏)と説明するが、米国でテスト中の決済機能は国内では使用できない。同社は米国のテストを終えてから日本での展開を目指すと説明した。

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インスタの飲食店支援を大幅に強化

 Instagramは4月27日から料理を注文できる機能を実装し、国内パートナーとしてTableCheck、出前館、PICKS、ヒトサラ、Uber Eatsの5サービスが名を連ねるが、新たにEPARKテイクアウト、O:der ToGo、OkageGo、トレタ テイクアウト、Chompy、Diny to-go、PayPayピックアップ、menu、Rettyの9サービスが加わった。

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 5月12日に提供を開始したクーポンや優待券を購入することで中小企業を支援するギフトカード機能は、KitchHike、TableCheck、Squareの3サービスに加え、Giftee、さきめし、みらいの食券の3サービスが参画する。味澤氏は各サービスについて、「実装から日が浅いものの(サービスを利用する店舗から)ポジティブなフィードバックが多い」と説明した。

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 パートナー企業の1社であるTableCheck代表取締役の谷口優氏によれば、オンラインでの問い合わせ件数は3月が60件、4月が95件、5月が104件と増加し、サービス継続の意思を示す店舗は64.9%におよぶという。

 たとえば、東京でモダンベトナム料理を提供するAn Diは、Instagramに料理の写真を投稿する際に「料理を注文」ボタンを有効にしたところ、予約の45.5%が同ボタン経由で入るようになったという。京都で中華料理を提供する京 静華も、前年同月比75%まで低下した売り上げが同サービスを利用することで50%まで回復しているという。

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 谷口氏は「An Diで注文した8割は新規顧客。(サービス利用が)新しい広告宣伝手法となり、SNSの活用が飲食店の競争優位性に大きな差をもたらす」と語った。

TableCheck 代表取締役 谷口優氏
TableCheck 代表取締役 谷口優氏

求人でも中小企業を支援

 中小企業支援の一環として「求人情報 on Facebook」も拡充する。2018年から同種のサービスを提供してきたが、今回新たにエンゲージ、HRハッカーとのパートナーシップを発表。具体的には2社のサービスに掲載された求人情報がFacebookの求人情報機能に掲載される。

 味澤氏は「求人情報や訴求範囲、多くの業種(に対する求人情報)を持たれている」と提携理由を説明した。エン・ジャパンも「Facebook Japanと弊社のマッチングを通じて、中小ビジネスに寄与したい」(同社執行役員 デジタルプロダクト開発本部 本部長の寺田輝之氏)と思いを語った。

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エン・ジャパン 執行役員 デジタルプロダクト開発本部 本部長 寺田輝之氏
エン・ジャパン 執行役員 デジタルプロダクト開発本部 本部長 寺田輝之氏

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