VRのバカンスで高齢者の生活に彩りを--初めて見たのはスペインの街 - (page 4)

　こうした訪問も、新型コロナウイルスの影響で現在はかなり異なるものになっている。Papa Palは非対面の食品配送を支援しており、付き添いのための訪問はほとんどが電話やビデオチャットに移行した。

　「高齢者にはテクノロジーの使い方を教えている。以前なら通常は好まなかったであろう使い方だ」とParker氏。「孤独であることの恥ずかしさは、全世界が隔離されている今となっては以前ほど問題ではない」

孤独を癒すには

　IT業界の最大限の努力にもかかわらず、孤独を癒すための、研究に裏付けられた方法は存在しないとJeste博士は語る。解決法は多面的であるとともに、身体的活動やエクササイズ、社会との繋がりを伴うものでなければならない。テクノロジーは有用だが、それだけで問題を解決できるわけではないという。

　「IT業界は以前から主に若者を対象としてきた」とJeste博士。「年配の人々は多数のアプリが搭載されたクールなものを好まない。非常にシンプルなものを求めている。われわれには、高齢者にも使いやすいテクノロジーが必要だ」

　フロリダ州のSchuldtさんも同じ考えだ。VRプラットフォームがシンプルだったことが、体験を大いに楽しめた主な要因だったという。「ただ頭に着ければいい」とSchuldtさんは語った。「使うための難しい手順を学ぶ必要はない」