リノべるとKAKUCHOは6月12日、ARを組み合わせて、好みの住まいを作れる「ARリノベ」に対応した第1号物件を公開した。キッチンや洗面台など、好みの設備を導入した際のイメージがタブレット上から確認できる。
第1号物件は、愛知県名古屋市にある集合住宅。名古屋市営地下鉄八事駅から徒歩7分の場所に位置する。1978年に竣工し、面積は74.34平方メートル。LDKは21.5畳と広く、2つのベッドル―ムとウォークインクロゼットを備える。
現在、間取りが出来上がっているほか、床や壁などの施工は終わっており「8割が完成している状態」(リノべる リノベ本部首都圏設計・施工部デザインSV課の岩重卓也氏)。キッチンや洗面化粧台などは設置されていない。
ARリノベで選べるのは、キッチン、間仕切り壁、アクセント壁、洗面化粧台。キッチンならば8種、洗面化粧台は4種と、2800戸超のリノベーション実績を持つリノベるが人気の仕様を用意した。
まだ設置されていないキッチン部分にタブレットをかざすと、キッチンのデザインが現れ、原寸大の状態で設置したイメージが見られる。AR技術は、「webAR」を展開するKAKUCHOが提供しており、KAKUCHO CEOの⽵本泰輔氏は「ARの特性をフル活用したサービスがARリノベ」と紹介する。
キッチン台の奥に人が立つと、本当にキッチン台の向こうに立っているように見えるため、高さの確認なども可能。洗面台では、鏡に照明の灯りが映り込むなどリアルな作りになっている。
「従来のリノベーション物件は、リノベーション済みの物件を購入するか、オーダーメイドでイチから作るかの2つしかなかった。リノベーション済みの物件は実物を確認でき、すぐに住み始められることがメリットだが、設計変更などはできなかった。一方、オーダーメイドタイプは、自由に設計できるが、入居までに時間がかかる。ARリノベは、双方のメリットを併せ持ったリノベーション物件。8割ほど完成しているため、入居までの時間が短く、こだわりの部分もARを使って選択できる」(リノべる 統括執行役員の三浦隆博氏)と特長を説明する。
第1号物件では、ARリノベを使って選んだ壁やキッチンなどを即座に追加工事することで、引き渡しまでは4~6週間程度。タブレット上で追加コストも表示されるため、トータル金額もすぐに確認可能だ。
現在、ARリノベの提供エリアは首都圏と名古屋、大阪、兵庫とリノベるの直営店から展開しており、順次広げていく計画。システムのみを利用できる形での提供も考えているという。
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