徐々に改善されているMicrosoftのAR対応のクラウドサービスは、おそらく、HoloLens 2自体よりも重要だ。同社の「Azure Spatial Anchors」(物理的な場所で共有されているオブジェクトに関してリアルタイムで共同作業できるARで、「Minecraft Earth」でも使用されている)も一般提供が開始された。Microsoftのクラウドレンダリングツール(高性能のリモートサーバーと接続することで、より精細なグラフィックスとモデルをARヘッドセットで実現すると宣伝されている)はパブリックプレビューの段階に移行している。筆者は、HoloLens 2を試用するため2019年にMicrosoft本社を訪問した際に、その2つのツールの潜在的な可能性を感じた。
クラウドレンダリングと5Gのサポートということは、HoloLensテクノロジーが、やがて、より手頃でより幅広いデバイスに移行する可能性があるということを意味するはずだ。Sullivan氏によると、Microsoftは今のところ、まだ企業とHoloLens 2のサポートに注力しているというが、低価格の5G対応AR/VRデバイスの需要が高まっていることは同氏も認識している。「われわれのアプローチは、自社のハードウェアに投資することであり、それはHoloLens 2に反映されている。そして、次の戦略はエコシステムを実現することだ」(Sullivan氏)
Sullivan氏は今後に可能性を見いだしている。例えば、数年前に低価格の「Windows」対応VRヘッドセット群が発売されたときのように、MicrosoftはサードパーティーのARヘッドセットメーカーと提携することもできる。「Windows対応MRヘッドセットに関して、当社はパートナーに対し、簡単に言えば6自由度(DoF)位置トラッキングのライセンスを付与した」(同氏)
「われわれは今後も最先端を走り続けることができるだろうか。そのうえで、パートナーのエコシステムが、われわれが学んだことを発展させて、それをさまざまな業種の理にかなった方法で拡大していくという形にすることができるだろうか」と同氏は問いかけた上で、「われわれがデバイスやカスタマイズプログラムを開発することと、サードパーティーに知的財産のライセンスを与え、彼らが独自のハードウェアを開発できるようにすることとの間には、大きな隔たりがある」と語った。
こうしたサードパーティーとの提携によって、将来的に低価格のHoloLensが登場する可能性はある。すぐには実現しそうにないが、それが次に待ち受けている展開かもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
開発経験ゼロからのローコード開発で
医療ニーズに応えた病院向けシステムを構築
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス