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新型コロナで訪問不可に、どうする?--一長一短、テレワーク時代の広報活動 - (page 2)

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訪問不可、新型コロナウイルスで一変した状況

 企業にとって重要な新製品ほど、発表会や媒体訪問をしてアピールをしたいが、新型コロナウイルスの影響でテレワーク、外出自粛が定着すると、新製品発表会に報道陣を集めることや、媒体訪問して製品を説明することができなくなった。

 IT系の大手企業の発表会は早々にビデオ会議へシフトした。大手企業は機材も人材もお金もあるので問題なくシフトできたと考えられるが、媒体訪問を主体としてきた中堅企業の広報担当者は自力での対応が急務となる。筆者もその1人だ。

 広報という仕事は一般的ではないが、筆者は広報と営業の仕事は近いと思っている。現在、営業職で“自社がテレワーク”“取引先がテレワーク”を導入したことで顧客とのコミュニケーションに困っている人は、ビデオ会議を使用したコミュニケーションは解決策の1つになるだろう。

試行錯誤のオンライン広報を再現

 読者の中には既にテレビ会議をバリバリ利用している人もいれば、これからデビューする人もいると思う。筆者は4月に2社(2製品)のリリースでオンライン広報を実施した。正直、まだまだ試行錯誤の途中で完成形とは思っていない。オンライン飲み会、オンライン帰省など注目度が増したこともあり、ネット上には使用する機材、利用するサービスなどの情報が溢れている。ここでは記憶をたどりながら、実際に筆者がオンラインで広報活動をした体験談を紹介したい。これは便利と思った機能やトラブル、今後の課題などもお伝えしよう。「こうしてみました」という内容なので「こうしよう」「こうするべき」という提案でないことをご了承いただきたい。

 3月末頃、発表日は調整中だったが4月に2製品の発表を予定していたので、何人かの編集長、副編集長にメールやFacebookのMessengerでテレワークの実施状況などを聞いてみた。

 A社:3月30日「現状は打ち合わせなどがあれば出社、なければ在宅です。新製品デモは現状はギリギリOK。もう一段自粛が厳しくなると、とんでもないという流れになりそうです。」

 B社:4月2日「今お越しいただいても編集部はスカスカで……Zoom会議いたしましょうか」

 C社:4月2日「在宅推奨ということで私もたまに在宅でやっています。そろそろ在宅に切り替えようかなと思っているところです。Zoomとかオンラインも結構使うようになりました。」

 この時点では編集部によってはギリギリ媒体訪問ができそうだったが、世の中の雰囲気は悪化の一途で、筆者は80%無理だなあと感じていた。「Zoomで」という提案もあり、後日A社に確認すると「ZoomでもTeamsでもMeetでも大丈夫です」とのことで、Zoomがテレビ会議システムの1番人気のようだ。

 翌週の月曜日、4月6日に「7都府県に対し4月7日に緊急事態宣言を行う」とニュースが流れ、媒体訪問の可能性はゼロに。Zoomを使用して人生初のオンライン広報を行うこととなった。発表日も決まり、4月10日と4月16日。2週連続のリリースだ。

 リリースに向けて広報文や説明資料などを普段どおりの準備。並行してZoomの勉強と機材の準備。ウェブカメラは入手困難な状況で、取りあえず10年以上前に購入したバッファローコクヨサプライとロジクールのウェブカメラをクローゼットから探し出した。スマホ、タブレットでも動作確認。部屋も掃除した。

10年以上前のウェブカメラを引っ張り出してきたが画質イマイチ
10年以上前のウェブカメラを引っ張り出してきたが画質イマイチ

 企業の広報部門なら社員同士で練習ができるが、筆者は1人広報なのでアカウントを2つ用意してミーティングルーム(ダイニング)に設置した端末と仕事部屋のPCをつないで映像、音声、画面共有などさまざまなチェックを行った。

 オンライン広報を実施した後で今回の執筆の依頼をいただいた。記事を書く予定はなかったので、Zoomを使用した実際のオンライン広報の詳細なスクリーンショットは残していない。この先は記事用に再現した画面で説明したい。画面は相手側(編集者側)のPCのスクリーンショットだ。同じ部屋のデスクトップPCとノートPCをつないでいるためマイクはミュートにしている。筆者宅には、ぬいぐるみもフィギュアもなく、相手の画面はレコードのジャケットを使用したが、気にしないでいただきたい。

対面よりオンラインの方が優れていること、不便なこと

 いざ本番。最初の製品はフォーステックがPQIブランドで発売する「iCube」というスマホのバックアップ製品。充電中に連絡先や写真をバックアップするもので、特徴はiPhoneとAndroidに1台で対応していることと、バックアップを保存するメディアにmicroSDとUSBメモリが使用できること。

スマホのバックアップができる「iCube」
スマホのバックアップができる「iCube」

 実際にスマホに充電ケーブルを挿し、バックアップする様子を見せるのだが、映像では手に持ったスマホの画面の細かなところは映らない。Zoomのよいところは「画面を共有」ができること。スマホのスクリーンショットを事前に用意しておいて、相手に見せられる。

映像では手に持ったスマホの画面の細かなところは映らない
映像では手に持ったスマホの画面の細かなところは映らない
画面共有でスマホ画面を見せることができる
画面共有でスマホ画面を見せることができる

 PCの画面に映っているものなら、画像でも動画でもExcelでも画面の共有が可能となる。実際に訪問してデモをする際、自分のPCの画面を相手に見せようとすると、位置関係によって見せ辛いこともあるし、相手の人数が多いと見えないケースもある。プロジェクターをお借りして見せることもあるが、プロジェクターの有無や机の大きさ、参加人数などは訪問先ごとに異なる。相手に画面を見せる、という操作はZoomの方が優れているように感じられる。

 いくつかの媒体とオンライン広報を行って、小さなトラブルが発生した。1つ目は筆者の声が相手に聞こえないことがあり少々焦ったが、先方が「Zoomの左下のマイクの横の三角をクリックして設定を開いて……」と教えてくれて、ウェブカメラのマイクを選択してトラブル解消。他の媒体で先方の声が聞こえなかった際は、筆者が先方に同じ説明をして解消した。お互いにまだまだ慣れていない部分があるようだ。こうしたトラブルは、そこかしこで発生しているようで、人数が増えると、トラブル解消に5分〜10分かかったこともあるそうだ。

マイクの設定が間違っていて声が聞こえないトラブルが発生したがこれも経験(マイクがミュートになっているのは撮影用のため)
マイクの設定が間違っていて声が聞こえないトラブルが発生したがこれも経験(マイクがミュートになっているのは撮影用のため)

 世の中が将来的に完全に元の状況に戻るのか、ニューノーマルと言われる感染対策が生活の基本となる状況が延々と続くのかは分からない。テレワークも一時的なものかもしれないし、定着するかもしれない。

 先々、媒体訪問もしつつ、オンライン広報も併用し、さらに広報用デモ動画も作成するようになると負担が大きいと懸念しつつ、良いところは取り入れて新型コロナウイルスの終息後の新しい広報活動に生かせるようにしたいと思っている。

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