端末の外側にある、錠剤のような形の小型ディスプレイは、ミニマリストデザインでなかなかカッコいい。だが、これも機能は貧弱で、時間とバッテリー残量を確認するか、Spotifyで曲をスキップするときに使うくらいだ。しかも、すぐに消えてしまうので通知を読み切れず、それを調整できる設定も見つからない。
Galaxy Z Flipで自撮り写真を撮影するときも、奇妙な感じがする。この超小型ディスプレイがビューファインダーになり、背面カメラを使って高解像度の写真を撮れるのだが、プレビュー画面が実際のフレームとは違うため、分かりにくい。
外側ディスプレイの使い勝手は、同じ折りたたみ式スマートフォンでもいろいろだ。Galaxy Foldは、多くのことをこなせるようにと機能を詰め込みすぎているように感じられる。逆に、Galaxy Z Flipはシンプルにしすぎた。Razrは、この2つの中間くらいでちょうどいいバランスになっている。
スマートフォンメーカーにとって、外側ディスプレイのサイズと有用性のバランスをとるのが難しいことは分かっているが、それにしてもGalaxy Z Flipは改善の余地がある。Motorola流に乗っかってもう少し大きくすることもできるだろうし、通知の表示時間を長くすることもできるだろう。通知については、基本的な操作ができるようにすべきだ。
Galaxy Z Flipの発売当初は、折りたたみ式のディスプレイと長期的な耐久性について懸念があった。日常的に3カ月使ってきたが、ディスプレイには引っかき傷も欠けもない(前述したように、汚れはかなり付いている)。本体には小さな傷が1つできていて、これはデスクから床に滑り落ちたときにできたものだ。ついでに言っておくと、自分で落としたことはないが、勝手に落ちたことは何度かあった。外側のコーティングが信じられないくらい滑りやすいためで、カウンターやテーブルに置いたままにし、戻ってくると滑り落ちていることが何度もあった。
閉じた状態のとき、画面の上半分と下半分の間に隙間ができる。これでひとつ気になるのは、ほこりや小さなゴミがディスプレイ上にたまりやすいことだ。Galaxy Foldのレビュー機と違って、ゴミやほこりがディスプレイの内部やヒンジ機構の中に入り込むことはなかった。
耐久性について筆者が感じたいちばん大きいことは、普通のスマートフォンと同じように使えるということだった。後生大事に取り扱うこともなければ、破損を心配することもない。もっとも、もう少し長く、年単位で日常的に使ってみないと、真の耐久性テストにはならないだろう。
カメラについてはここでは詳しく触れないが、端的に言うと、良いものだが素晴らしいというほどではない。基本的には「Galaxy S10」のカメラシステムであり、超広角カメラ(解像度はS10に劣る)と、デュアルアパチャー(可変絞り)のないメインの広角カメラを搭載しており、ナイトモードも備えている。
全編をGalaxy Z Flipで撮影した以下の動画を見てみてほしい。
結局のところ筆者は、Galaxy Z Flipには称賛すべき点が多くあるが、ほとんどの人にとっては日常的に頼れるツールというより実験的なものだと考えている。短所も含めて最新技術を求めるのであれば、店舗でチェックしてみる価値は間違いなくある(もちろん、それが可能になった時にだ)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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