とはいっても、Pixel 3aの方がiPhone SEより遠くまで見据えている。というのは文字どおりの話で、iPhone SEは5倍が上限なのに対して、Pixel 3aでは7倍までのデジタルズームが可能となっている。ズームしたときの画質も、Pixel 3aの方がクリアだ。
上の写真は約2倍のズームで、Pixel 3aで撮った方が鮮明でシャープになっている。緑の部分をよく見ると分かるが、ピンクの花を見れば違いはすぐに分かるだろう。
下の写真は約4倍ズームで、同居人に内緒にしているワインの瓶を撮ったもの(皆さん、飲むときは責任をもって飲むように)。見て分かるとおり、iPhone SEの方が少しズームしすぎているのは確かだが、わずかなズーム率の違いでは説明がつかない、大きな画質の差があるように思える。iPhone SEの方は引き続き暖色系だが、ノイズが目立っている。背景を見るとよく分かるだろう。
最後は水差しの写真(もともとはビール瓶だった。またしても、責任をもって飲むように)。どちらも5倍ズームで撮影したもので、Pixel 3aの方がずっと鮮明だ。
ここでは、あまり断定的な言い方はしたくない。繰り返しになるが、撮影したときのズーム倍率が100%定かではないからだ。それでも、ズーム機能に関してはiPhone SEがかなり見劣りすると言えるだろう。
Pixel 3aとiPhone SEは、前面カメラに関してはおおむね引き分けだ。ディテールはPixel 3aの方が細かいこともあるし、色はiPhone SEの方が豊かなこともある。両立は難しいのかもしれない。ただし、違う点もある。筆者のテストした限りでは、iPhone SEの方がさまざまな照明環境にうまく対処するということだ。
下の自撮り写真を見ると、筆者の変な頭の形が分かるだろう。それはともかく、Pixel 3aの方の写真をよく見ると、こちらの方が背景の低木のディテールが細かい。また、コーヒーカップの蓋は色が付着していない白い部分が目立ち、乾いている唇も、残念ながら毛深い指もよく分かる。細かいディテールに万歳だ。
だが下の写真になると、iPhone SEの発色の方が好みだった。特に、背景にある葉がいい。また、Pixel 3aの方は筆者の顔が不自然に滑らかで、これはポートレートモードのときの効果とは逆になっている。
そうはいっても、この勝負もほぼ引き分けだ。ただし、どんなに頑張って試みても、Pixel 3aは玄関先の照明にうまく対処できなかった。これは、どちらにもあるポートレートの自撮り機能だが、標準の写真も同じだった。彩度が低く、発色もさえない、残念な仕上がりだ。
いつもこうなるとは限らないが、ほかの写真を見ても、Pixel 3aは明るい照明環境での光の処理がやや不得意だった。ということで、自撮り写真はiPhone SEの勝ちだ。
Appleのデバイスは動画機能で定評があることを考えると、動画機能ではPixel 3aも健闘していると言える。とはいえ、やはりiPhone SEの方がここは有利だ。大きな違いはダイナミックレンジにあり、夜間の撮影になるとその差が顕著に表れる。Pixel 3aでは車のヘッドライトが強く光りすぎ、iPhone SEの方が黒は濃く写る。下の動画で、比較映像をご覧いただきたい(動画の比較は5:24あたりから)。
ということで、ズームとNight SightではPixel 3aがリードしているものの、画質の鮮やかさ、ポートレートモードと自撮り写真の安定感で、今回はiPhone SEを勝ちとしよう。ただし、Appleもこの勝ちにいつまでもしがみついてはいられないかもしれない。「Pixel 4a」の登場も、そう遠くないとうわさされているからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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