Googleは新しいことを試みようとしている。同社を代表するスマートフォン「Pixel」が、「Pixel 3a」と「Pixel 3a XL」でミッドレンジ市場に参入するのだ。価格はそれぞれ399ドル(日本では4万8600円)と479ドル(同6万円)で、本体は基本的に「Pixel 3」を手直ししたものになる。背面カメラと全体的な外観は同じだが、ハードウェア機能の一部をダウングレードすることで低価格を実現している。
Googleが低価格路線に乗り出した理由はいくつかある。ひとつには、同社の旗艦端末であるPixel 3と「Pixel 3 XL」が、驚異的なカメラ機能と批評家からの絶賛にもかかわらず、それほど売れていないことが挙げられる。原因は、米国で販売するキャリアがVerizonのみだということ(実際には、米国の他のキャリアでも使える)と、スマートフォンの買い換え間隔が全般的に長くなっていることにあるかもしれない。また、米CNETではこれまでのところ確認されていないが、Pixel 3のパフォーマンスに問題があるとも報道されている。
だが、最大の要因は価格だろう。Pixel 3が799ドル(同9万5000円)、Pixel 3 XLが899ドル(同11万9000円)からで、競合する「iPhone XS」ほど高価ではないものの、やはり高額な部類に入る。Googleの親会社Alphabetで最高財務責任者(CFO)を務めるRuth Porat氏が、「高級スマートフォン市場における競争の重圧」のせいで販売が低調であることを認めているほどだ。
価格を下げたことで、Pixel 3aが新しいユーザー層を引きつけ、最終的に売り上げを増やす可能性は高くなった。しかも、「お手頃」価格帯で競合する他社製品、例えば「iPhone XR」や「Galaxy S10e」と比べると機能は少ないが、Pixel 3aなら250ドル以上も安い。Googleが提供する最新のソフトウェアと素晴らしいカメラ機能を、すべて400ドル以下で使いたいのであれば、Pixel 3aは「買い」だと言えるだろう。
Pixel 3aとPixel 3はどちらも軽量なユニボディで、光沢とマット仕上げを組み合わせたデザインの背面には指紋リーダーが配置されている。両方を初めて見たとしたら、どちらが高価なモデルか、すぐには分からないだろう。
だが違いもある。Pixel 3aはPixel 3よりやや大きく、背面はPixel 3のようなガラス製ではなくポリカーボネート製になっている。ディスプレイ下部のベゼルが太く、ディスプレイ自体も少し大きい。OLEDディスプレイの種類も異なり、プラスチックではなくガラス基板を採用している。色モード(設定で変更できる)を同じにしても、Pixel 3aの方がパンチが効いて見える。赤、黄色、オレンジの温かみが強くなり、白はより純粋に、より明るく見えるのだ。一方、Pixel 3の画面は青みがかり、ハイエンドデバイスでありながら色ずれが大きい。
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