アフリカ現地レポート

日本の若者たちが「アフリカ」で起業体験--2週間にわたる派遣プログラム全レポート - (page 4)

ルワンダで感じた課題と可能性

 以上、ルワンダでの起業体験プログラムのレポートをお届けした。多くの参加メンバーと同じく、私もアフリカに訪れたのはこれが初めてだったが、うわさで聞いていたとおり、ルワンダは非常に治安がよく、夜間に一人で歩いていても危険を感じることは一度もなかった。

ミルコリンホテルのレストランから眺めたルワンダの夜景
ミルコリンホテルのレストランから眺めたルワンダの夜景

 また、アジア人はほとんど住んでいないため、街中を歩いているとかなり珍しい目で見られるが、バスなどで移動していると多くの人々は笑顔で手を振ってくれるし、特に子どもたちが大喜びで近づいてきてくれた。また、こちらから話しかけても、フレンドリーに接してくれる人が多かった。“ルワンダの人々は優しい”というのが、今回の滞在中に最も強く感じたことだ。

 食事については、地元のアフリカ料理屋であれば300円程度で食べられるし、外国人価格(1食1000円以上)ではあるが、美味しいカレーやハンバーガー、ベトナム料理、さらには中華料理(本格的な火鍋まで)など、多国籍な料理店も多く、食べ物に困るといったこともなかった。

ルワンダのレストランで食べたアフリカ料理
ルワンダのレストランで食べたアフリカ料理
ハンバーガーや中華料理などの飲食店も。プログラム開始直前には、ケンタッキーフライドチキンの1号店も出店していた
ハンバーガーや中華料理などの飲食店も。プログラム開始直前には、ケンタッキーフライドチキンの1号店も出店していた

 そして多くの読者の皆さんが気にしているであろう体調面についても、幸いなことに滞在中に体調を崩すことはなかった。ただ、プログラムに参加した学生や社会人、また神戸市職員など20名近いメンバーのうち、約半数は一度は体調を崩して離脱するなどしていたので、私はたまたま運が良かったのかもしれない。

 現地でのテクノロジービジネスについても触れておきたい。当初「急成長するIT立国」というイメージを持ってルワンダを訪れたが、前述したように実際にはネットワークが遅かったり、ルワンダ発のIT企業がまだ少なかったりする現実があり、肩透かしを食らった気分になったことは否めない。

 しかし、小学校に1人1台のPCが配られていたり、4Gのネットワーク網が9割以上をカバーしていたり、米Ziplineのようにルワンダを社会実験の場として活用するユニコーン企業もあったりと、IT立国に向けて着々と歩みを進めていることも同時に感じることができた。配車アプリやフードデリバリーアプリといった、日本でも利用されているサービスもすでに提供されている。

配車アプリ「move」に乗車したが、ドライバーは地図が読めなかった
配車アプリ「move」に乗車したが、ドライバーは地図が読めなかった
フードデリバリーアプリ「VubaVuba」。注文から1時間で熱々のホットサンドが届いた
フードデリバリーアプリ「VubaVuba」。注文から1時間で熱々のホットサンドが届いた

 現在は、まだIT立国と呼ぶには未成熟だが、数年後には4Gネットワークが普及し、Ziplineなどの海外企業で経験を積んだルワンダ人による起業事例なども増えてくるのではないだろうか。機会があれば、さらなる成長を遂げた同国をまた訪れてみたい。

 (取材協力:神戸市「KOBE STARTUP AFRICA in Rwanda」supported by Tiger Mov)

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]