以上、ルワンダでの起業体験プログラムのレポートをお届けした。多くの参加メンバーと同じく、私もアフリカに訪れたのはこれが初めてだったが、うわさで聞いていたとおり、ルワンダは非常に治安がよく、夜間に一人で歩いていても危険を感じることは一度もなかった。
また、アジア人はほとんど住んでいないため、街中を歩いているとかなり珍しい目で見られるが、バスなどで移動していると多くの人々は笑顔で手を振ってくれるし、特に子どもたちが大喜びで近づいてきてくれた。また、こちらから話しかけても、フレンドリーに接してくれる人が多かった。“ルワンダの人々は優しい”というのが、今回の滞在中に最も強く感じたことだ。
食事については、地元のアフリカ料理屋であれば300円程度で食べられるし、外国人価格(1食1000円以上)ではあるが、美味しいカレーやハンバーガー、ベトナム料理、さらには中華料理(本格的な火鍋まで)など、多国籍な料理店も多く、食べ物に困るといったこともなかった。
そして多くの読者の皆さんが気にしているであろう体調面についても、幸いなことに滞在中に体調を崩すことはなかった。ただ、プログラムに参加した学生や社会人、また神戸市職員など20名近いメンバーのうち、約半数は一度は体調を崩して離脱するなどしていたので、私はたまたま運が良かったのかもしれない。
現地でのテクノロジービジネスについても触れておきたい。当初「急成長するIT立国」というイメージを持ってルワンダを訪れたが、前述したように実際にはネットワークが遅かったり、ルワンダ発のIT企業がまだ少なかったりする現実があり、肩透かしを食らった気分になったことは否めない。
しかし、小学校に1人1台のPCが配られていたり、4Gのネットワーク網が9割以上をカバーしていたり、米Ziplineのようにルワンダを社会実験の場として活用するユニコーン企業もあったりと、IT立国に向けて着々と歩みを進めていることも同時に感じることができた。配車アプリやフードデリバリーアプリといった、日本でも利用されているサービスもすでに提供されている。
現在は、まだIT立国と呼ぶには未成熟だが、数年後には4Gネットワークが普及し、Ziplineなどの海外企業で経験を積んだルワンダ人による起業事例なども増えてくるのではないだろうか。機会があれば、さらなる成長を遂げた同国をまた訪れてみたい。
(取材協力:神戸市「KOBE STARTUP AFRICA in Rwanda」supported by Tiger Mov)
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