「Apple Watch」はいかにしてファッションからフィットネスの必需品になったのか - (page 2)

Shara Tibken (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年04月27日 07時30分

 初代Apple Watchを発表したとき、Cook氏はそれを「画期的な」製品だとし、「包括的な」ヘルスおよびフィットネス機器であり、「Walkie-Talkie」であり、ストリーミングボックス「Apple TV」のリモコンであるほか、多数の機能を持つと説明した。

 Cook氏はそのとき、Apple Watchについて、「われわれがこれまでに開発した最もパーソナルなデバイス」と述べている。「これは身に着けるものであるため、われわれは、手首の上から直接接続してコミュニケーションをとれる、新しい『個人的』な方法を生み出した」(同氏)

 最初のモデルでは、複数のバンドオプション、2つの腕時計サイズ(42mmと38mm)、3種類のデザイン(アルミニウムケースの「Apple Watch Sport」、ステンレススチールケースのApple Watch、18Kゴールドケースの「Apple Watch Edition」)が用意された。アルミニウムモデルはシルバーとスペースグレイから選べ、ステンレススチールモデルにはステンレススチールとスペースブラックのバージョンがあった。ゴールドで仕上げたApple Watch Editionは、18Kのイエローゴールドと18Kのローズゴールドが用意された。

初代Apple Watchのラインアップ
提供:Apple

 プラスチックバンドを備え、アルミニウムとガラスを採用したApple Watch Sportはエントリーレベルのモデルで、価格は349ドル(日本では税別4万2800円)からとなっていた。ゴールドを採用したプレミアムモデルのApple Watch Editionの価格は1万ドル(同128万円)からとなっており、最も高価なものは1万7000ドル(同218万円)だった。

 この非常に「パーソナル」なデバイスを売るために、AppleはBurberryの元CEOであるAngela Ahrendts氏の助けを借りた。同氏は2014年4月に小売部門の責任者としてAppleに加わった後、すぐに店舗とオンラインストアの変革に取りかかった。Apple Watchに関しては、高級ファッションブランドを経営していた経験を生かした。

 Apple Watchは当初、iPhoneやiPadを買うときのように、直接店舗を訪れてその場で購入することはできなかった。Apple Watchを購入したい人は、先行予約期間中に「Apple Store」でApple Watchを試着する予約を取る必要があり、販売は予約システムを通して行われた。

 Apple Watchはすぐにヒット商品となった。一部のアナリストの推計では、2015年4月24日の発売開始までの2週間に、200万台以上の先行予約があったとされている。Strategy Analyticsによると、ほかのすべてのスマートウォッチベンダーの2014年通年の総出荷台数は、わずか460万台だったという。

 現在では、Apple Storeに足を運んで好きなモデルを試すことができ、Appleによって事前に選ばれたバンドの付いたApple Watchを購入する必要もない。新たな小売責任者が就任したAppleは2019年9月、自分の好みに合わせてApple Watchの種類とバンドを組み合わせられる「Apple Watch Studio」を発表した。この体験は、実店舗でもオンラインでも利用できる。

 2018年の「Apple Watch Series 4」で、Appleはサイズを変更して、画面サイズを大きくしたが、デバイス全体は薄型化した。現行のApple Watchのサイズは、40mmと44mmとなっている。

 また、Appleは短期間のうちにApple Watchの高級モデルに見切りをつけた。1万7000ドルのモデルは、第2世代のときには姿を消していた。

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