初代Apple Watchを発表したとき、Cook氏はそれを「画期的な」製品だとし、「包括的な」ヘルスおよびフィットネス機器であり、「Walkie-Talkie」であり、ストリーミングボックス「Apple TV」のリモコンであるほか、多数の機能を持つと説明した。
Cook氏はそのとき、Apple Watchについて、「われわれがこれまでに開発した最もパーソナルなデバイス」と述べている。「これは身に着けるものであるため、われわれは、手首の上から直接接続してコミュニケーションをとれる、新しい『個人的』な方法を生み出した」(同氏)
最初のモデルでは、複数のバンドオプション、2つの腕時計サイズ(42mmと38mm)、3種類のデザイン(アルミニウムケースの「Apple Watch Sport」、ステンレススチールケースのApple Watch、18Kゴールドケースの「Apple Watch Edition」)が用意された。アルミニウムモデルはシルバーとスペースグレイから選べ、ステンレススチールモデルにはステンレススチールとスペースブラックのバージョンがあった。ゴールドで仕上げたApple Watch Editionは、18Kのイエローゴールドと18Kのローズゴールドが用意された。
プラスチックバンドを備え、アルミニウムとガラスを採用したApple Watch Sportはエントリーレベルのモデルで、価格は349ドル(日本では税別4万2800円)からとなっていた。ゴールドを採用したプレミアムモデルのApple Watch Editionの価格は1万ドル(同128万円)からとなっており、最も高価なものは1万7000ドル(同218万円)だった。
この非常に「パーソナル」なデバイスを売るために、AppleはBurberryの元CEOであるAngela Ahrendts氏の助けを借りた。同氏は2014年4月に小売部門の責任者としてAppleに加わった後、すぐに店舗とオンラインストアの変革に取りかかった。Apple Watchに関しては、高級ファッションブランドを経営していた経験を生かした。
Apple Watchは当初、iPhoneやiPadを買うときのように、直接店舗を訪れてその場で購入することはできなかった。Apple Watchを購入したい人は、先行予約期間中に「Apple Store」でApple Watchを試着する予約を取る必要があり、販売は予約システムを通して行われた。
Apple Watchはすぐにヒット商品となった。一部のアナリストの推計では、2015年4月24日の発売開始までの2週間に、200万台以上の先行予約があったとされている。Strategy Analyticsによると、ほかのすべてのスマートウォッチベンダーの2014年通年の総出荷台数は、わずか460万台だったという。
現在では、Apple Storeに足を運んで好きなモデルを試すことができ、Appleによって事前に選ばれたバンドの付いたApple Watchを購入する必要もない。新たな小売責任者が就任したAppleは2019年9月、自分の好みに合わせてApple Watchの種類とバンドを組み合わせられる「Apple Watch Studio」を発表した。この体験は、実店舗でもオンラインでも利用できる。
2018年の「Apple Watch Series 4」で、Appleはサイズを変更して、画面サイズを大きくしたが、デバイス全体は薄型化した。現行のApple Watchのサイズは、40mmと44mmとなっている。
また、Appleは短期間のうちにApple Watchの高級モデルに見切りをつけた。1万7000ドルのモデルは、第2世代のときには姿を消していた。
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