サムスンの新型スマートフォン「Galaxy S20 5G」シリーズのうちでは、最も廉価な「Galaxy S20」が筆者のお気に入りだ。極めて鮮明なスクリーンから最新のカメラ機能まで、「Galaxy S20+」および「Galaxy S20 Ultra」と同じ最高クラスの機能が詰め込まれている。画面と本体のサイズを別とすれば、S20各モデルの違いはほとんど無視できる範囲だ。もちろん、Galaxy S20+や、Galaxy S20 Ultraが欲しい人もいるだろうが、いずれも特別な、個人的な理由からであって、機能や性能上の目立った利点があるからではないだろう。つまり、Galaxy S20 Ultraの1億800万画素のカメラや100倍ズームといった機能のことだ(これについては後述する)。
率直に言って、Galaxy S20が999.99ドル(約11万円)からという価格は、この端末の機能を考えると高価すぎて、高額モデルを購入するのがもったいなく感じられてしまう。2019年には、ラインアップに合わせて上がっていく価格を正当化する位置付けとして、最小モデルの「Galaxy S10e」が用意されたが、今回それを継ぐかと思われた廉価版の「Galaxy S20e」は登場しなかった。Galaxy S20+は1199.99ドル(約13万円)からで、最も大型のGalaxy S20 Ultraになると128GBモデルが1399.99ドル(約15万5000円)からとなるうえ、バッテリーの持続時間が残念で、スペックも95%は他モデルと同じだ(Galaxy S20+とGalaxy S20 Ultraには、512GBモデルもある)。
筆者からすれば、S20の価格設定は許容範囲ぎりぎりだ。サムスンは行きすぎている。多分、本当にサムスンのスマートフォンが好きだったら、ここまで価格にこだわらないのかもしれない。だが、本来なら素晴らしいS20の機能とスペックが、筆者には「Galaxy Note10」やGalaxy Note10+ほど響いてこないのだ。残念ながら。
レビュー用端末の色はクラウドブルーで、筆者はこの色が大好きだ。6.2インチのスリムベゼルのディスプレイはポケットに収まりやすく、扱いやすくて片手でも操作しやすい。カメラの出来にもほぼ満足しているが、接写可能な距離はもっと短くしてほしかった。オートフォーカスにもやや問題があったが、これについてはサムスンが対処済みだ。処理速度は素晴らしく、バッテリーの持続時間も妥当なうえ、超高速のワイヤレス充電、ワイヤレス逆充電、120Hzのスクリーンリフレッシュレートといった追加機能も、満足できる。
Galaxy S20は人によっては小さく感じるかもしれないが、そのサイズの差がGalaxy S20+の主なメリットにもなっている。Galaxy S20では512GBモデルも選べず、ほとんどのキャリアは「Sub-6」という低速の5G帯しかサポートしていない(Verizonは例外で、同社の高速mmWave版Galaxy S20 5Gが第2四半期に登場する予定だ)。英国とオーストラリアを含む一部の国では、より低価格な4Gモデルを選べるのはGalaxy S20だけとなっている。
Galaxy S20とそのカメラを使うのは、純粋に楽しい。だが、これぞまさしく求めていたもの、というほどではない。新しい「Android」スマートフォンが今すぐ必要なのであれば、Galaxy S20はお勧めできる。機能は気に入っても、まだ待てるのであれば、もっと大きい下取りや割引きが始まる時期、特にホリデーシーズンを狙うといいだろう。夏か秋まで待てるようなら、「Galaxy Note20」や「iPhone 12」も視野に入れてもいいかもしれない。
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