知的財産権の侵害でAppleに提訴されているCorelliumが、「iPhone」に「Android」をインストールできるようにするツールをリリースした。Corelliumは米デラウェア州に本社を置く新興企業。
Corelliumは、このツールの名称を当てつけのように「Project Sandcastle」(プロジェクト・サンドキャッスル)とした。Appleがサンドボックス化の技術を利用して、ユーザーが「iPhone」でできることを制御している点を当てこすった名称だ。
サンドボックス化は確かに正当なセキュリティ機能を実現するものだが、この技術は、ハードウェアを購入したのであればその使い方はユーザー自身が制御すべきだと考えているモッダー(改造マニア)たちには受けが悪い。この点においては、AppleのiPhoneにGoogleのAndroidをインストールできるようにすることも例外ではない。これはたとえば、「Windows 10」搭載ノートPCでLinuxディストリビューションをデュアルブートするようなものだ。
Corelliumは、Project Sandcastleのウェブサイトで次のように述べている。「iPhoneは、ユーザーがサンドボックス内で操作することを制限している。しかし、iPhoneを購入したのであれば、iPhoneのハードウェアを所有しているのはユーザーだ。『Android for the iPhone』によって、ユーザーはそのハードウェア上で別のOSを実行する自由が得られる」
CorelliumはAndroid for the iPhoneについて、科学捜査の研究や電子廃棄物の削減に役立つとしているが、今回のリリースは大胆にもAppleへの反発心を露わにした動きである可能性が高い。Appleは、「iOS」の仮想化技術に関する知的財産の侵害をめぐってCorelliumを提訴している。
Corelliumの技術はAppleの幹部や弁護士を憤慨させることとなり、Appleは2019年8月にCorelliumを提訴した。
Android for the iPhoneは現在ベータ段階で、iPhone 7と7 Plusにのみ対応しており、利用できる機能も限られている。ウェブサイトには、どのような影響が出るか分からないため、注意してインストールおよび使用するようにとの注意書きがある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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