OYO LIFE、新代表が語る合弁解消とこの1年--OYOでしかできない賃貸サービスへ - (page 2)

物件、入居者数増で見えたオペレーション力不足

――認知度アップという点でも大きな役割を果たしてきたZホールディングスとは12月で合弁会社を解消されました。

 理由は単純でOYOとして単独での認知度が高まったため、合弁会社である必要はないと判断しました。ただ、私たちのグループ会社であるOYO Hotels Japanは、ソフトバンクグループとの合弁会社ですので、今後はソフトバンクグループとなにかシナジーを生み出していきたいですし、そのあたりは柔軟にやっていきたいです。

――1年の成果として、物件数、入居者数の変化はいかがですか。

 入居者数は開始以来ずっと右肩上がりで伸びていて、これは、ウェブサイトで見てぱっと借りられる部屋を決められるという新しいサービスを作れたからだと手応えを感じています。物件数に関しては、スタート時の最大のミッションだったこともあって、2019年11月時点で、想定していた数は獲得できました。それ以降は、以前物件獲得営業だったスタッフを、入居者サポートなどに配置換えする組織変更を実施しています。

――物件数が急激に伸びた影響からか、オーナーの方から不満の声も上がっていたようですが。

 確かに借り上げていた物件の解約などがあり、一部のオーナーの方を失望させてしまったことは事実です。また、私たちのオペレーションが一部不行き届きなケースがあり、入居者の方にご不便な思いをさせてしまったケースにおいては、オーナーの方に不安な思いをさせてしまったことも事実です。

 現在は、オペレーション業務にあたるスタッフを増員したほか、外部協力会社などと共に、質の高いオペレーションをご提供できていると思います。引き続き継続的な改善活動も実施しています。

短期利用に加え長期利用者増、賃貸ビジネスの主流に近づく

――入居者のメインターゲットはどういった方でしょうか。

 サービス開始当初は限りなくマンスリーマンションのユーザーに近く、1~2カ月の利用者が多かったですね。ヒアリング調査をするとやはり仕事で使う方が多かったです。長期出張やあるプロジェクトが終わるまでといった期間限定で住みたいというニーズです。あと、自宅をリフォーム中という方や、同居、・別居といったニーズ目立ちました。

 現在はそうした短期使用に加えて、長期間借りられる人のミックスになっています。家具家電付きで、敷金礼金なしというのがOYO LIFEの特徴ですが、その部分よりも「契約のプロセスが便利」「初期費用が圧倒的に安い」といったポイントを重視される方が増えてきています。

 長期入居は賃貸のメインストリームですから、もちろん取り込みたいと思っていましたが、サービス開始から1年足らずで増えたことは、予想外でした。これもサービスが浸透したからだと思っています。

――今後は長期の入居者を増やすイメージでしょうか。

 短期でも長期でも家賃は同じなので、当初は短期を主力としていましたが、今は長期滞在者向けのキャンペーンも実施していますし、将来的には長期割的な家賃も採用し、戦略的に長期入居者を増やしていこうと考えています。

 またオペレーション力不足から一部の入居者の方にご迷惑をおかけしましたが、その問題の1つが短期入居者の数が予想以上に多く、オペレーションが煩雑になっていたことでした。安定したオペレーションも提供できるという点でも長期入居者の獲得は重要になってきます。

――2019年後半からキャンペーン施策がかなり目立ちました。

 これはOYO LIFEならではの大変ユニークな部分だと思い、積極的に取り入れています。そもそも不動産はキャンペーンがやりにくい業界です。一つの物件に対して、物件情報サイト、仲介、管理会社、さらにオーナーと多くの人が関わり、価格の変更ができるのはオーナーのみです。しかしOYO LIFEでは、すべての部分を私たちだけで見ているので、見せ方も変えられれば、価格も変更できる。ですから思いついたら、すぐにキャンペーンを始められることが強みです。

 1年目は認知獲得が最大のミッションでしたから、キャンペーンもその後押しになりました。どれが入居者にとって刺さるかわからず、できるだけ多くのキャンペーンを実施した結果、「キャンペーンが多過ぎる」という声もいただいたり(笑)。しかしキャンペーンを実施することでお得感がだせますし、ファンもついてきていますので、今後も取り組んでいきたいと思っています。

――OYOと言えばデータドリブンな経営でも知られています。OYO LIFEにおけるデータ戦略はいかがでしょう。

 かなりデータが貯まってきました。お客様が検索している部屋の場所、タイプ、築年数、駅からの距離といった条件的なものから、最終的にどの物件にいつ決めたかというデータも持っています。加えて、どのくらいの期間住んでいるのか、延長はあったのかなど、住んだ後のデータが取得できるのもOYO LIFEならではと思っています。

「OYO LIFEでは、すべての部分を私たちだけで見ているので、見せ方も変えられれば、価格も変更できる。ですから思いついたら、すぐにキャンペーンを始められる」
「OYO LIFEでは、すべての部分を私たちだけで見ているので、見せ方も変えられれば、価格も変更できる。ですから思いついたら、すぐにキャンペーンを始められる」

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