IDCは、世界ICT市場に関する調査結果を発表した。それによると、2020年の支出額は5兆2000万ドル(約571兆円)で、前年比6%増と予測。5G導入の効果で全体的なIT支出は増えるものの、PC販売の鈍化と新型コロナウイルスに対する懸念が重しになり、成長を抑制すると見込む。
ICT市場では、ソフトウェアおよびサービスに対する投資が安定していると同時に、5G対応デバイスへアップグレードする動きが2020年下半期にスマートフォン販売を回復させる。一方、新型コロナウイルス感染の拡大に関する不確定要素が影を落とし、企業は短期的なICT投資を引き締めると考えられ、これが市場全体の成長を抑える。
対スマートフォン支出を除いた場合の支出額は前年比4%増にとどまり、前年の同7%増からペースダウンする。分野別では、ソフトウェア支出が同9%弱増(前年は同10%増)、サービス支出が同3%増(前年は同4%増)と、いずれもやや減速の予想だ。
もっとも振るわない分野はPCで、「Windows 10」へのアップグレードにけん引された買い換えサイクル終了が影響する。具体的には、2020年のPC支出額は前年比6%減になるという。2019年は同7%増だった。
ICT支出に対する中国市場の影響が大きいため、現時点で判断するのは時期尚早だが、新型コロナウイルスを取り巻く状況が懸念される。ちなみに、今のところIDCは地域別の支出額を、中国が前年比12%増(前年は同4%増)、中国を除いたアジア太平洋地域が同5%増、米国が同7%増、西欧が同3%増としている。
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