街なかを走る以上のことまで視野に入れるなら、Elon Musk氏の構想だろう。2020年代のうちに人類を月や火星まで運ぶものと期待をかけている同じロケットを使って、宇宙を経由する超高速フライトで私たちを世界中に運んでくれるのだという。
Musk氏はいつも、自分で決めた予定に関して少し甘いところがある。例えばSpaceXも、民間の宇宙事業として軌道に乗るまでに、創業者である同氏が約束していた時期よりも数年遅れた。それを踏まえると、一般人がSpaceXの「Starship」を乗り合いで使えるようになるのがいつか、予測するのは難しい。Virgin GalacticやBlue Originなど他の宇宙企業も、短時間だけ宇宙の旅を楽しむくらいであれば、旅客を宇宙に運べるようになるまであと数年というところに来ている。
2020年代の幕開け頃でも、無数の人がデジタルアシスタントに話しかけているだろうが、そこから10年間にコンピューターとの対話や操作のしかたも進化し、人間同士のコミュニケーションをも超えるようになるかもしれない。
2019年のはじめに、Bill Gates氏は、自然言語入力とAI音声アシスタントが、人間の秘書の役割をこなせるくらいにまで進化するだろうと述べた。
「秘書レベルの機能が、今後5~10年間で登場するはずだ」と、同氏はMIT Technology Reviewで語っている(上の動画)。
Pearson氏は、スマートスピーカーやスマートフォンに話しかけるのではなく、もうすぐ自分の目で会話ができるようになると考えている。最初に構想したのは1991年のことで、「アクティブコンタクトレンズ」の概念だったという。拡張現実のディスプレイが角膜に浮かび上がるという着想は、まさに当時のSFに登場するサイボーグのネタのようだが、今では少なくとも、あるスタートアップ企業によって現実になってきたようで、コンタクトレンズに埋め込めるほど小さいディスプレイが実現している。
眼球上にスクリーンを隠し込むというのが快適かどうかはいずれ分かるだろうが、Elon Musk氏は既にその一歩先を進んでいる。同氏のスタートアップであるNeuralinkは、脳とコンピューターのインターフェース装置の開発に取り組んでいる。人の思考を入力メカニズムとして利用し、わざわざ文字を入力したり、コマンドを口にしたり身ぶりで示したりする必要がなくなるのだ。
Musk氏は、この技術を2020年には身体麻痺のある患者に試したいと考えている。2030年までには、もしかすると、隣に座っている人間と話すより、デジタル世界と対話するほうがずっと簡単になっているのかもしれない。
2030年になると、人工知能は生身の友人と同じくらい賢くなっている可能性がある。
「3年から5年の間に、理解のしかたを自律的に学べるようなコンピューターシステムが登場すると考えている。人間の頭の働き方と全く変わらずに」。IBM Watsonの主任開発者であるDavid Ferrucci氏は、2018年のドキュメンタリー映画「Do You Trust This Computer?」でこう話した。
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