21世紀の最初の10年間は、主にSteve Jobs氏、Mark Zuckerburg氏、Jeff Bezos氏などが主導するモバイル革命やソーシャル革命が席巻する時代だった。しかし、間もなく終わろうとしているその次の10年は、もう少し複雑な時代になった。この間、IT界の巨人たちのグループに、新たな顔ぶれが加わり、引き続き私たちを未来へと導こうとしている。この記事では、2010年代を代表するIT界のイノベーターや、さまざまな領域の知っておくべき人々を紹介する。
「Anonymous」は人物というよりは散らばった人々の集合体であり、「ハクティビズム」を世の中に認知させたハッカーたちの緩やかな繋がりだ。この集団は2010年代前半に、ISISや、米国やチュニジアの政府、ソニーやPayPalなどの企業を標的として攻撃を仕掛けた。Anonymousの戦術には、標的のウェブサイトを過負荷にしてダウンさせる分散型サービス妨害攻撃や、組織内のデータベースを攻撃して秘密情報(たとえばクー・クルックス・クランのメンバーの個人情報など)にアクセスし、漏えいさせるといった手段が含まれる。
2019年には、この集団に対する注目度はやや薄れたが(Anonymousは2018年に、QAnonの陰謀論が嘘であることを曝くと述べている)、ハッキングに対する警戒感が今も大きい理由の1つは、正体不明のアクティビストの大集団がハッキングを続けていることにある。
「WikiLeaks」を立ち上げたAssange氏のミッションは、権力の秘密を曝くことだった。同氏はすぐに多くの人から英雄として祭り上げられたが、お尋ね者として同氏を追う存在もあった(2019年5月には、米国政府からスパイ活動法に違反した容疑で起訴されている)。WikiLeaksは、2010年から2011年にかけて、米陸軍の機密を内部告発したChelsea Manning氏の入手文書を公開したほか、米国家安全保障局(NSA)の内部告発者であるEdward Snowden氏が2013年にロシアへの亡命を希望すると、同氏を支援した。Assange氏は、強姦容疑でのスウェーデンへの身柄引き渡しを避けるため、ロンドンにあるエクアドル大使館に逃げ込み、そこに7年間滞在した。
サイトの生みの親がこの10年の大半を同じ建物の中に閉じ込められて過ごしていた中、WikiLeaksはHillary Clinton氏に不利に働く漏えいメールを公開して、2016年の米国大統領選挙に大きな影響を与え、その翌2017年にはスマートフォンをハッキングする米中央情報局(CIA)の手法を載せた数千件の文書を公開した。Assange氏に関する騒動は今も続いている。同氏は2019年には、エクアドル政府によって大使館から追い出され、ロンドン警察に逮捕された。現在は英国の管理下に置かれているが、今後、米国に身柄が引き渡される可能性もある。
General Motors(GM)の最高経営責任者(CEO)を務めるBarra氏は、2014年にCEOに就任したことで、大手自動車メーカーを率いる最初の女性になった。同氏はこの10年間、ForbesやFortuneの「世界でもっともパワフルな女性」ランキングで常に上位に入っている。
同氏がCEOに就任して以来、GMは好業績を上げ続けており、同社の勢いは、電気自動車や自動運転車の普及に積極的なことで知られるTeslaの取り組みでさえ霞ませてしまうほどだ。実際、「Chevy Volt EV」はTeslaの「Model 3」に先んじて、初めて市場に出た4万ドル未満の電気自動車となり、同社は将来に向けての競争力を維持するために、ライドシェアリング技術にも投資している。
またEquileapの調査によれば、Barra氏がCEOになってからのGMは、たった2社しか存在しない性別による賃金格差を完全に撤廃したグローバル企業の1つに数えられるようになった。
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