Googleは、データセキュリティに関する規則に違反したとして従業員4人を解雇したという。Googleが従業員に送ったメールの内容として、Bloombergが米国時間11月25日に報じた。
Googleの従業員と支持者ら約200人は22日、サンフランシスコにある同社のオフィスの外で抗議集会を開いたが、解雇はその数日後に起きた。この集会に参加した活動家らは、Googleに批判の声を上げたことに対して同社の経営陣が従業員に報復していると主張した。
抗議活動の発端となったのは、Googleが2人の従業員Laurence Berland氏とRebecca Rivers氏に課した処分だ。2人は業務の範囲外の文書やカレンダー情報にアクセスするなど、同社のポリシーに違反したとされ、Googleが調査を実施する間、11月に入って無期限の休職処分を受けていた。ただし、Googleの活動家らはこの措置について、従業員の組織化に対する罰だと述べた。
Rivers氏は25日、「つい先ほど、@Googleから、自分が解雇されることを知らされた」とツイートした。
I was just informed by @Google that I am being terminated.
— Rebecca Rivers (@Tri_Becca90) November 25, 2019
Googleで抗議活動を組織している従業員らによると、Berland氏も25日に解雇された中の1人だという。米CNETは同氏にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。
Googleのセキュリティおよび調査チームのメンバー3人は、従業員に送付したメモの中で、今回の解雇の理由として、同社のデータセキュリティポリシーに対する「明確かつ度重なる違反」を挙げた。
Googleの広報担当者は、解雇された従業員の氏名を明かそうとしなかったが、Bloombergが報じたメモが本物であることを認めた。
この解雇が、Googleの経営陣と、社会問題をめぐる同社の決定に抗議してきた一般社員の間の緊張を高めるのは確実だ。従業員らの反抗に対応する中、Googleは長年にわたり反労組活動に従事してきた外部企業を雇った。またGoogleは11月に入って、長く続く同社の伝統となっていた全社ミーティング「TGIF」を縮小するとした。最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏は、TGIFの開催を毎週または隔週から月1回に変更すると述べた。この社内ミーティングでの発言を外に漏らす「組織的な動き」があったためだという。
これまでにも、抗議活動の主導者は、米国防総省との人工知能(AI)プロジェクトの契約や中国におけるGoogleの取り組み、セクハラを指摘された幹部の処遇など、経営陣の判断に抗議してきた。
Googleで組織化を進める従業員らは25日のブログ記事で、経営陣の行いを「組合つぶし」だとして批判した。
「ユーザーからの信頼を守る代わりに、Googleは非倫理的な行為を正すのではなく隠すことを選んでいる。職場での敵対的な振る舞いを改めるのではなく、さらに推し進めようとしている」と従業員らは記した。米CNETはこうした主張についてGoogleにさらに問い合わせたが、現時点で回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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