Samaira Mehta(サマイラ・メフタ)さんは、自分は普通の11歳だと話す。彼女はギターを弾いたり、歌ったり、外で遊んだりすることが好きだという。しかしMehtaさんには、同じ歳のほかの子どもとは違うところが1つある。最高経営責任者(CEO)の肩書きを持っていることだ。
Mehtaさんは7歳のとき、コーディングの基本的な概念を学べるボードゲーム「CoderBunnyz」を作った。またその2年後には別のゲーム「CoderMindz」を発売したが、彼女はこれを「世界初の人工知能(AI)ボードゲーム」と呼んでいる。Mehtaさんは、ゲームと同じCodeBunnyzという名前の会社の共同創業者でCEOであり(MBAを持つ彼女の母親も共同創業者に名を連ねている)、この2つのゲームを販売している。WalmartやFacebookのような著名な企業が、彼女とパートナーシップを結んで、これらのゲームを世界中の図書館や学校に寄付している。まだ年若いMehtaさんは、自分が大学を卒業する2030年頃までに10億人の子どもにコーディングを学んでもらうことを目標とした、「Yes, 1 Billion Kids Can Code」と呼ばれる取り組みの発起人でもある。
10月にサンフランシスコにあるCNET本社でインタビューに応じてくれたMehtaさんは、「私は普通の女の子」であり、「ただ普通ではない目標に向かって行くこと選んだだけ」だと話す。
「普通ではない」というのは、彼女の目標を表現するのに相応しい言葉だろう。MehtaさんはGoogleやMicrosoft、Intelなどの企業で、ワークショップを150回以上開催した。世界最大のスマートフォンのトレードショーである「Mobile World Congress」をはじめとする、50以上のカンファレンスで講演した経験もある。彼女はさらに大きな将来の夢を抱いており、その中には米国の大統領になることも含まれている。
Mehtaさんは、情熱を露わにしながら、自らの目標やテクノロジー分野のジェンダーギャップ解消の必要性について堂々と語った。なぜ自分のコーディングへの情熱を他の人にも伝えたいのかと尋ねると、彼女はその年齢を忘れさせるほどの熱意を見せながら答えた。何か技術を発明してもらえるとしたらどんなものがいいかと尋ねたときの答えも、自らの目標に直接結びついたものだった。
「私は同時に違う場所にいることはできないので」と彼女は答えた。「私のクローンを作って、世界中のいろんな場所に運んでくれるデバイスを作ってもらえれば最高ですね。そうすれば、ワークショップをたくさん開いて、たくさんの子どもに教えることができますから」
Mehtaさんはインタビューの中で、コーディングに興味を持ったきっかけや、年若い女性である彼女がぶつかっている問題、女子がSTEM(科学、技術、工学、数学などの理系の分野)に関与することの重要性などについて語った。この記事は、そのインタビューの内容を編集したものだ。
--まず基本的なことから伺いましょう。コーディングに興味を持ったきっかけは?
私がコーディングについて知ったのは6歳の時で、父(エンジニア)が私にイタズラをしてきたんです。父が自分のコンピューターで見せてきた画面には、「美しい人は押して」というコマンドが書かれたボタンがありました。父は試してみなさいと言ってきました。だけど、マウスポインターがその「美しい人」のコマンドに触れると、ボタンが消えてしまったんです。私は驚きました。「どうやってやったの?私はきれいじゃないの?何が起きてるの?」という感じです。
父は「コーディング」というものを使ってそれを作ったと教えてくれて、それで私は本当にワクワクして、コーディングをするようになったんです。友達にも同じようにイタズラしたいと思ったので。父にコーディングというものを教えて欲しいと頼んで、始めた瞬間に恋に落ちたんです。それが、これが私のやりたいことだと気づいた時ですね。
--結局、友達にイタズラはしたんですか?
はい。しばらく後に。
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