米特許商標庁(USPTO)が米国時間2月11日に公開した報告書によると、特許を出願する女性は増えているが、発明家全体に占める割合に関しては大いに改善の余地があるという。
「Progress and Potential: A profile of women inventors on U.S. patents」(進歩と可能性:米特許における女性発明家の概要)と題されたこの報告書によると、発明者の中に1人でも女性が含まれている特許の割合は、1980年代の7%から2016年の21%に増加したが、2016年に特許を取得した発明者のうち女性が占める割合はわずか12%だったという。
報告書には、「これらの集団内で十分に活用されていない人材を生かすことは、イノベーションを刺激して成長を促進するのに有益だ」と書かれている。この集団を指すものとして、「失われたアインシュタインたち」という考え方に言及している。これはつまり、「イノベーションと発明家のロールモデル」に触れていたなら、有益な貢献ができたかもしれない人たちのことだ。なお、今回の報告書が公開された2月11日は、国連が定めた「科学における女性と女児の国際デー」でもある。
女性発明家の割合が低いことは、STEM(科学、技術、工学、数学)分野に女性が少ないという議論に新たな一面を加えるものだ。
米労働統計局がまとめた2018年の統計によると、女性が占める割合はコンピュータと数学の職種で25.6%、建築と工学の職種で15.9%だったという。有色人種の女性の場合、この比率がさらに低くなる傾向にあるとする別の調査結果もある。STEM職に従事する女性の雇用者数は増加してきたが、特許を取得する女性の大幅な増加にはつながっていないことがUSPTOの調査で明らかになった。
報告書によると、女性に偏った形で影響を及ぼす要因が存在する可能性があり、それが障害になっていることが分かったという。報告書はその一例として、女性の科学者が資金の確保により苦労している可能性や、男性と同じ社会的ネットワークにアクセスできていない可能性を挙げた。
報告書ではまた、付与された特許において女性は個人として発明者に名を連ねる傾向が低く、より大規模な男女混合のチームで取り組む傾向が男性より高いことも分かった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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