Googleは新型スマートフォン「Pixel 4」で優れたカメラを実現した。初の望遠レンズはこのクラスで最高水準。ポートレートモードの撮影は簡単になり、星空さえ撮影できるようになった。
しかし、Pixel 4と「Pixel XL」(両モデルはサイズとバッテリー以外に大きな違いはない)は、内蔵ストレージ容量に対して高価だ。64GBモデルはPixel 4が799ドル(日本では税込8万9980円)から、Pixel 4 XLが899ドル(同11万6600円)からとなっており、拡張はできない。128GBの容量が欲しければ、100ドル多く出す必要がある。これに対し、同じくデュアルカメラを搭載しストレージ拡張不可の「iPhone 11」は64GBモデルが699ドル(日本では税別7万4800円)で、Pixel 4より約100ドル安い。
GoogleはPixelユーザーが写真や動画の保存に「Googleフォト」を利用できるようにしているが、筆者のように内蔵ストレージを好んで使っている人間には、全てをクラウドに同期することが魅力的とは思えない。Googleフォトの利用に前向きで予算がある人は、Pixel 4の購入を検討してもいいだろう。Pixel 4は「Android 10」のアップデートによって優れたキャプション機能も備えており、極めて高性能なカメラも搭載している。しかし、予算を最大限に生かしたいなら、他のデバイスを検討した方がいいかもしれない。
2018年の「Pixel 3」で最も魅力的な機能は、高性能のカメラだった。競合機種が2つ以上の背面カメラを必要としていた時代に、Pixel 3が1つの背面カメラだけで美しい写真をうまく撮影できることにわれわれは感銘を受けた。だが、Googleは、Pixel 4で2つ目の背面カメラとして望遠カメラを追加した(とはいえ、それでも3つ、ましてや4つの背面カメラを搭載するほかのスマートフォンに比べると少ない)。広角カメラではなく望遠カメラを採用したのは、ズームする方が重要だと感じたからだ、とGoogleは話している。一方、「iPhone 11 Pro」、華為技術(ファーウェイ)の「Mate 30」、「Galaxy Note10」などのスマートフォンは、フレームにより多くの被写体を収めることのできる広角カメラを搭載している。
望遠レンズの追加により、Pixel 4のカメラは、より高画質なポートレート写真を撮影できるようになった。髪の毛や動物の毛のような描写の難しい部分も以前より自然に表現できるようになっている(とはいえ、強風の日に撮影した筆者の写真は処理しづらかったのか、周りと調和していない部分がいくつかあった)。より遠く離れた距離からポートレート写真を撮ることも可能になった。
カメラの「HDR+」機能(複数の画像を組み合わせて、最適な露出の1枚の写真を完成させる)の効果をリアルタイムで確認することができる。これは便利だが、筆者は一般にHDRをオフにできないことに不満を感じている。実を言うと、Pixel 4に限らず、HDRの効果に満足できないこともある。写真が非現実的に見えたり、過度に処理されているように見えたりすることがあるからだ。シャドウとハイライトを調整する2つの新しいスライダーで画像を補正できるようになったが、求めている効果を得るためにこれらのスライダーを動かす使い方は直観的ではない。多くの場合、筆者は写真の見た目がどのように変わるのかもよく分からずに、適当にスライダーを動かしただけだった。
「Night Sight」(夜景モード)として知られる「Pixel」の暗所撮影モードは依然として秀逸で、暗いシーンを明るく、そして、シャープに写す。星空の撮影にPixel 4を使えばいいというほど素晴らしい機能だ。通常、こうした撮影には、デジタル一眼レフと三脚、そして、多くの忍耐が必要になる。筆者はニューヨークにいて、星を撮影できるだけの暗さの場所に行けなかったため、天体写真モードをテストすることはできなかったが、同僚のJuan Garzon記者が撮影した写真を下に掲載している。スマートフォンで星明かりを撮影できるというだけでも、この写真は相当印象的だ。天体写真モードを別にしても、Pixel 4の暗所撮影モードは素晴らしく、筆者はシャッターを押すたびに感動する。
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