シャープは「8K+5GとAIoTで世界を変える」という事業ビジョンの下、10月1日に2つの子会社「株式会社SHARP COCORO LIFE」「株式会社 AIoTクラウド」を立ち上げた。家電向けに展開する会員サービス「COCORO+」を強化するとともに、プラットフォームの提供や連携など、他社サービスとの連携拡大を図る。10月14日、CEATECの開幕前に開かれたプレスブリーフィングで、その概要などを発表した。
今回の子会社設立は、IoT関連製品、サービス事業を強化するため設立したもの。SHARP COCORO LIFE 代表取締役会長の長谷川祥典氏は「シャープでは2015年のCEATECから、AIやIoTにおける取り組みについて『COCORO+』ブランドや他社企業との連携などを発表してきたが、2019年は、この連携を加速するため、新会社を立ち上げた」と背景を話した。SHARP COCORO LIFEが、AIoTプラットフォームを軸に他社との協業を進め、AIoTクラウドは、AIoTプラットフォーム事業とクラウドソリューション事業などを担う。
AIoTプラットフォーム事業を手掛けるAIoTクラウドは、代表取締役社長の赤羽良介氏が外販戦略などについて説明。提供するプラットフォームは、生活データを活用し、他社のプラットフォーム接続などに対応し、さまざまなサービスが生まれる場となることを目指すとしている。
シャープの家電などから上がってくる生活データを提供でき、会場では調理機器や洗濯機の生活データを披露。自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」の特定メニュー「具だくさん味噌汁」の調理率は山梨などで高いことがわかるほか、ある1日のヘルシオの調理メニューランキングは「温泉卵」「焼き芋」「唐揚げ」がトップ3になっているとのこと。また、洗濯機の生活データからは、乾燥機能の利用率が雨が降った地域とリンクしていること、登録洗剤ランキングなどがわかるという。
赤羽氏は「これらのデータをスマートライフにどう活かせるか、パートナーとともに考える。製品のIoT化により付加価値アップさせる開発を支援することはもとより、オペレーション改革や事業改革まで見据えたトータルサポートを目指す」とした。
すでに10月からKDDI、セコムとIoTみまもり分野での連携を始めているほか、スマートキッチン分野でクックパッドやトクバイとの連携も検討中。スマート室内環境では、ニューロスペースと提携し、睡眠に特化したエアコンを開発している。
「すでに事業連携しているのは2社、検討中が3社、話をしている段階なのは30社ほど。2020年度に50社との取り組みを目指す。どちらかと言えば機器連携よりもサービス事業者との連携が多くなる予定。スマートライフのプラットフォーマーを目指したい」(赤羽氏)と今後を見据えた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果