シャープは9月13日、氷点下2度の飲料が楽しめるクーラーバッグ「TEKION COOLER(テキオンクーラー)」を9月19日より発売すると発表した。市場想定価格は5000円(税別)。
テキオンクーラーは、蓄冷材パックとクーラーバッグの2つで構成されており、蓄冷材はあらかじめ冷凍庫で10時間冷やしておく。蓄冷材をクーラーバッグに入れ、冷蔵庫で冷やした飲み物を入れると30分でマイナス2度になり、2時間キープできるのが特徴。
素材は、氷点下の冷たい飲料を入れても結露せず、軽量で折りたたみができる「クロロプレンゴム」を採用。ウェットスーツにも使われているもので、持ち運んでもテーブルの上に置いても水滴がつかないのも特徴の一つ。
シャープは、液晶材料研究で培った技術を応用して、適温を維持できる「蓄冷材」を開発。社内ベンチャー「TEKION LAB(テキオンラボ)」を設立して、「新保冷材」の商品化などを進めてきた。テキオンクーラーは、初めてシャープブランドとして発売する第一弾となる製品だ。
クラウドファンディングサービス「Makuake」で蓄冷材と日本酒とのセット販売が好調だったほか、ビールハイボール、コーラなどマイナス2度で楽しむことがトレンドになっていることを受けて、家庭で手軽に楽しめることを狙ったものだ。
さらに、事業を拡大し、スポーツや医療、美容、物流の分野にも拡大すべく異業種との連携を進めていく方針だ。その一つとして、蓄冷材を応用してトップアスリート向けの商品開発にスポーツトレーニングで実績を持つウィンゲートと取り組む。
1つは「TEKION暑熱対策グローブ」で、デサントジャパンを含めた3社と協同開発したもの。深部体温の上昇抑制効果が期待できる業界初のTEKION暑熱対策グローブという。脱着しやすい専用グローブの内側ポケットに、冷たすぎずかつ快適で冷却効果の高い12度の蓄冷材を装着。手のひらを適切な温度に冷やすことで深部体温の上昇を抑制する効果が期待でき、ランニングやウォーキングをはじめとしたスポーツシーンでの暑熱対策グッズとして使用できる。早期実用化を目指して、世界のトップアスリートが活躍するマラソンや競歩などの国内外競技大会で、今秋より実証実験を進めるとしている。
もう1つは。微細な氷の結晶を含んだ飲料「アイススラリー」を電源なしで簡単につくれる「TEKIONアイススラリーBOX」で、シャープとウィンゲートが暑熱対策グッズとして共同開発した。アイススラリーは、氷が体内で融ける際に大量の熱を奪うため、冷蔵庫などで冷やした飲料よりも効果的に体を冷やせる。TEKIONアイススラリーBOXは、現在、レッソ大阪や楽天野球団の東北楽天ゴールデンイーグルスといったプロスポーツチームにて実証実験中という。
シャープ Smart Appliances & Solutions事業本部 副本部長の田村友樹氏は、「学校、子ども対策、フィットネス、通勤通学、外で働く人、いろいろな人の暑熱対策が課題。そこにチャンスがあるとみている。加えて美容や医療、海外、グローバルに加速展開していく。2025年に50億円規模を目指す」と語った。
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