Horizonは、Facebook内にも表示され、利用可能な体験をユーザーに知らせる予定だ。ただし、HorizonはFacebookログインの代わりにOculus IDを使用する。この試みの狙いは、自分自身を表現したものを2種類(「VR版」と個人用のもの)作れるようにすることにある。それは、VRでの自分とFacebookでの自分を混同しすぎないようにすることを意味するのかもしれない。
だが、Facebook Horizonはクローズドベータ版として、Oculus Questおよび「Oculus Rift」の両VRヘッドセットでしか利用できない。ほかのアプリやARでの2Dバージョン統合の計画は現時点ではない。
Fitzgerald氏はHorizonのバーチャルスペースの一部について、「とてもオープンなものになる」が、「招待制の場所を望むグループが小規模なスペースを構築し、それに関わっている人々だけを招待することも可能になる」と話している。
Facebookは、VRでのソーシャルインタラクションの最適解をまだ見つけていないことを認めている。プライバシーに関する懸念についても同じだ。Horizonがオンライン上の行動をどのように解決するのかは、筆者が体験した、用意の整ったデモからは分からなかった。腕の青い盾は、あらゆる状況で機能するのだろうか。人々は安全だと感じられるのだろうか。
これらすべてのことは、実際にはどのような結果をもたらすのだろうか。FacebookはHorizonで人間のスタッフによるホストを使用するようだ。ホストは、このVRの世界でガイドの役割を果たす。ソーシャルネットワークというよりもテーマパークのように聞こえる。筆者は、動的なユーザーが何千人もいる状態でこのホストが機能するところをまだ想像できない。
Horizonのソーシャルの世界は、単なるアプリ以上のもののように聞こえる。Facebookによると、このホストをOculusの将来のバージョンのVRで常駐させる予定だという。Romo氏は、次のように説明してくれた。「今さっきまでHorizonでパーティーに参加しており、ガイドに案内されていたとしよう。そのパーティーは、システムレベルのコンセプトと考えることができる。Horizonから、没入型メディアを使う別の場所へ移動しつつ、同時にソーシャルなつながりを維持することができる。今後、その体験を簡素化してシームレスにし、改善していくことがわれわれの仕事だが、すべてをHorizonの中に収める必要はない」。Fitzgerald氏は、「ホーム画面に戻らなくても、友達との次のアクティビティーに参加することができる。ソーシャル体験でのそうした自然な移行について、われわれは大いに考えている」としている。
デモを試してから約1週間が経過した今でも、晴れの天気が永遠に続くようなHorizonの雰囲気に少し違和感を覚えている。任天堂やDisneyのような世界で過ごしたくないときもあるからだ。没入型の体験を自分で試作してみたり、今もベータ段階にあるMedia Moleculeの「PlayStation」向けゲーム「Dreams」のような奇妙な世界を見たりしたい。筆者の聞いた話だと、ロボットのボクシングや島の体験はHorizonを使用して構築されたそうだが、Horizonのクリエイティブツールセットがどれだけ素晴らしいものなのかは分からない。
とはいえ、現実に存在すると同時にバーチャルでもある、楽しいほかの人々との会話はうまくできており、圧倒された。それは、あたかも大きくて楽しい空想の遊び場の中で暮らしているようだった。Oculusで最初からこの遊び場を提供すべきだったのかもしれない。しかし、それよりもはるかに大規模で奇妙なソーシャルの世界であるFacebookは、この遊び場をどう活用するのだろうか。ソーシャルの仮想世界の制御という、より大きな課題については、今も不明なことが多い。もしかすると、HorizonはOculusでこれまでに提供されてきたものよりも優れているのかもしれない。だが、ソーシャルVRに関して、Horizonがまだ答えを出していない疑問もたくさんある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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